工程02 キャラクターの終着点を決める
●概要
物語を経て、キャラクターが最終的に辿り着く姿を決める。
●工程の趣旨
物語を経て、キャラクターが成長したり変化する事で、キャラクターの魅力を高めたり、読後感を作るための工程。
基本的にメインキャラクターのみに設定する。
終着点とするのは、
「変化」や「成長」はもちろんのことだが、
「紆余曲折を経て信念を貫いた姿」
「信念は変わらないが、物語を経てより強固な信念を持った姿」
も当てはまる。
主に主人公が完成された姿である場合はこのパターンを採用し、周囲のメインキャラクターが変化や成長する事で読後感を作るような形になる。
(分かりやすいのは少し古いけどマンガ:鋼◯錬金術師の1話とか)
●コツ
変化を持たせる部分は「キャラクターの3次元要素」のいずれかにすると分かりやすい。
3次元要素は物語開始時点のものなので、そこを参考に終着点を決める。
「哲学と態度」ならば、
自分さえ良ければ他人などどうでも良いという哲学が、誰かの為に行動するのも悪くないと考えるようになったり、
「感情的気質と反応」ならば、
泣いてばかりで何も出来なかった人物が、ある経験を経て強靭な精神を手に入れたり、
「意思決定のルーチン」ならば、
感情を表に出さず機械的に行動していた人物が、よく笑い人間味のある行動を取るようになる。
などが考えられる。
そして、その終着点はキャラクターの
「読者が憧れる要素」に当てはまるように設定するのが一般的。
「応援したくなる要素」を持つ登場人物が、読者の応援の結果「読者が憧れる存在」へと成長する。
というのは受け入られやすい。
推しのアイドルが総選挙で一位を取って喜ばないファンは少数派ですしね。
また逆に、読者から見て手の届かない存在や理解できない存在が、読者も共感できる存在へと降りてくるのも良い。
キャラクターとしては堕落に見えるかもしれない。
だが必ずしも、理想を貫くことがキャラクターの幸せに繋るわけではない。ヒーローやアイドルという存在から、ごく普通の人間へとなって当たり前の幸せを享受するのもヒーローを応援していた読者からすれば素直に喜べるものだ。
好きなキャラクターの不幸を望むのは少数派だろう(もっと不幸になって欲しいと望む性癖もありますが特定のキャラに限りますし)
これらは
「憧れる要素」と「応援したくなる要素」をどんな風に演出していくのか。
そこを考えると良いかも。
キャラクターと読者とのコネクション(繋がり)を持たせている以上、
読者がキャラクターに何を求めているのか、読者はどんな変化を望むのか、それとも変化など求めないないのか。
キャラクターをプロデュースする際のゴールを決める、という感覚に近いように思う。
何にしても、読者は愛着あるキャラクターの幸せを願う事が多い。
その幸せをどんな形で叶えるのか。
幸せでは無いけれど、信念を貫かせるのか。
方向性としてはその2つが無難。
また補足として、
幸せにもならず、信念も貫けず、ただ無残に消えていくキャラクターを描いた上で作品の評価を得るのは非常に難しい。
が、不可能ではない。
むしろそういう方法で読後感を作る作品もある。
その場合は、キャラクターではなく世界観そのものに魅力の重心を置いた構成を心掛けると上手くいきやすい。
参考にするなら、いわゆるセカイ系や連作短編形式の作品で「現実なんてこんなもの」という世界観を持っているものを探してみると良いかも。(マンガだと「ウシジマくん」辺り)
ただ、この方式は作者のセンスとバランス感覚が問われるのでオススメしません。
センスやバランス感覚なんてものは、長年の経験かもしくは才能によって手に入るスキルなので。
僕みたいな凡才は素直に経験積んだ方が良さげ。
●メモ
仕事が忙しいので、合間にスマホで更新してますので、もしかしたら抜けや誤字などがあるかもしれません。
後日、修正や更新をすると思いますのでその際は活動報告にてお伝え致します。
●参考元
リンダシガー「ハリウッドリライティングバイブル」
他、いくつかの執筆指南書
※敬称略
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