工程04 セントラルクエスチョンの策定

●概要

物語上の中心となる問いかけ。

メインプロットで解決されるべき問いかけの策定。



●工程の趣旨

工程03で作成したコンセプトから抽出するような形で策定する。

これは物語で読者の興味を引きつづける問いかけとなる。


探偵ものならば「探偵は事件を解決できるのか?」

パニック映画ならば「怪物を倒せるのか」「生き残ることができるのか」

恋愛ものならば「この恋は成就するのか?」

といったもの。


これがハッキリしていると、物語に統一感ができるだけでなく、

読者も何に期待して、何を楽しめばよいのか序盤から理解できる。

故に、対象読者の期待を裏切らずに済む。



●コツ

登場人物の事情よりも「どのような物語にするのか」を意識したもので作成。

テーマとは異なるが、テーマにつながるもの。

登場人物の事情、つまりサブプロット等はセントラルクエスチョンとメインプロットに奉仕するものと考えた方が無難。


策定の際にはイエスorノーで答えが出るような単純なものにしておく。

基本的には「イエス」と答えられる内容にするのが王道だが、

「ノー」にした場合にも、上手くいけば読者に強い印象を与えることができる。

けれど大博打なので、よほど構成とアイディアに自身が無ければやめた方が無難。

映画「コマンド―」でシュワルツェネッガーが死ぬようなものなので。

でも成功すれば、名作として記憶してもらえる可能性も高い。

「バッドエンドだが名作」はこのタイプ。



●メモ

「姉たる千隼と鬼憑きの姉妹」では「千隼は妹を助けることができるのか?」というセントラルクエスチョンを設定してみた。

千隼や飛鳥が抱えていた「五年前の約束」の問題は、サブプロットであり、これを解決するとセントラルクエスチョンに「イエス」と答えられるように構成した。

結果としては、PVの傾向を見る限りはセントラルクエスチョンが提示された一章末まで読み終えた人の半分以上は、最後まで読んでいるようである。


少なくとも読者には「これが何を楽しめる物語なのか」を伝えることには成功し、

なおかつその期待を裏切りはしなかったという事だろうと、自惚れることにする。



●参考にしたもの

リンダ・シガー「ハリウッド リライティングバイブル」

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