キャラクターコンセプト:仲村マリナ
●類型の詳細
仲村マリナは「異世界から来たゲリラ戦の専門家」である。
彼女の目的は「武装戦闘メイドとして主人へ仕え、守り抜くこと」であり、
その為ならば倫理にもとることも厭わない。
そんな彼女は戦闘方面の知識や技術以外の方面では
「対人関係スキル、及び倫理観の欠如」という欠点を持つ非常識な人間だ
そして彼女は「エリザのために世界征服を考える悪役」である。
――――――※振り返り※――――――
この類型の詳細の文言は『物語工学論』のテンプレに当てはめながら作りました。
ただ決定稿までにこの類型はかなり変遷しているため、
あくまで〝叩き台〟として作ったものですね。
今でもこうした叩き台を作ってから、
世界観とストーリーの兼ね合いを見て内容を変えていくという手法を採っています。
当時の初期イメージとしては、
フルメタル・パニックの相良宗介に近いものを想定していたようですね。
サブプロットに合わせて全部作り直しましたが。
――――――――――――――――――
●読者が応援したくなる要素/弱点
メモ
読者にとっての現実であり共感できる部分として考える。
キャラクターが抱える悩みや問題は、読者も共感できる方が感情移入を誘いやすい。
また、読者が「手伝いたい」と思うような事もアリ。
・マリナ
「武装戦闘メイドに憧れている(オタク趣味)」
「ジャイアントキリングを行う」
――――――※振り返り※――――――
主に『共感』と『応援』を目的に設計していますが、
今読むとこれ「ジャイアントキリングを行う」はこの後の「憧れる要素」に入れるべき要素ですね。
『応援したくなる要素』とは読者に「手伝いたい」「目的を遂げて欲しい」等の感情を抱かせることで、読者にキャラクターを内在化させる(コネクションを作る)事が目的の要素ですから、
ジャイアントキリングする所を応援させたいのであればマリナ自身か、もしくは敵側の要素を用意するべきです。
ただ敵側に要素を配置するとストーリーがワンパターン化するため、
副次的な要素として用意すべきでしょう。
また、読者とのコネクションを作るために「漫画」を入れているようです。
要は「同じ趣味の人間の事は近しく感じる」という感情を利用しようとしているようですね。
ただこれは意外性が無いと効果が薄いです。
『全然そんな事に興味が無さそうな人が、実は――』
という方が落差で印象づけられるので。
意外性の無い『読者と同じ要素を持たせる』場合には、もっとキャラクター全体を読者に被せるようにする必要がありますし、場合によってはキャラクター性を薄くした方が良い場合もあります。
これはいわゆる『無個性主人公パターン』なのですが、これはこれで構築が難しいので、忍野はまだ勉強途中です。
(あれは小馬鹿にされるようなもんじゃないです。
マジで難しいし書ける人は尊敬する。難しいから失敗する人も多いだけで)
――――――――――――――――――
●読者が憧れる要素
メモ
読者がやりたくても出来ないことや、妄想などをそのまま形にする。
簡単に言えば「読者が真似したい部分」ということだろうか。
・マリナ
「ゲリラ屋としての現代知識を応用した戦闘技能」
「戦闘ゴーレムとしての怪力」
「現代兵器を幾つも取り出せる能力」
――――――※振り返り※――――――
基本的にはロマンとしての部分ですね。
元々が「『仮面ライダーオーズ』を参考にしよう」という発想もあり、
基本的にはビジュアル面での魅力推しになっています。
ただこれらはまとめて『戦闘技能』として統一できる部分なので、今だったらメンタル面での魅力をもっと入れると思います。
ただ、そうした部分はキャラクターのサブプロットを詰めていく段階で発見したり、
構築していく事が多いので、
今でも初期案の段階ではこの程度の作り込みで済ませています。
(後半の工程に合わせて、赤を入れて決定案にするイメージです)
――――――――――――――――――
●キャラクターを一言で表すキャッチコピーの作成
仲村マリナ
「メイド服と機関銃」
――――――※振り返り※――――――
同名タイトルのゲームがありますね。
このキャッチコピーはあくまで自分自身でキャラをブレさせないために決めるものですので当時としてはこれでも構わないのですが、
今ではキャッチコピーを複数作ることでイメージを固めています。
(今だと『銃弾で絶望を嗤う武装戦闘メイド』とかが、2巻のプロット上に存在します。
――――――――――――――――――
●上記をまとめた上で、読者の印象に残る要素を決める
メモ:キャラクターのトレードマークのようなもの。
仲村カレン
「顔の左側を覆う、ジャイアントバグの甲皮と複眼」
「ロングスカートのメイド服に、編み上げブーツ」
「肩からスリングで吊った、ブローニングM2重機関銃」
――――――※振り返り※――――――
はい。決定案ではほぼ要素ないですね。二番目のみです。
上述の通り特撮を参考にしたためにビジュアルを盛ろうとしたようですが、
実際に執筆する際に要素を盛りすぎると文章での描写がもっさりするという事に気づき、変更したような記憶があります。
(キャラクター設定の詳細を詰める時にまとめて調整したはず……)
メイド服と編み上げブーツ以外には赤髪に加え
WEB版では丸メガネ、書籍版ではモノクルを特徴としました。
元々、WEB版でも丸眼鏡にするかモノクルにするか悩んだ結果として、
文章だけで表現する都合上、ビジュアルは読者の脳内にあるものを利用したいので、
『メイド』としての記号の強い丸眼鏡を選択した覚えがあります。
書籍版だとビジュアルをイラストで出せるので、その辺りの制限が緩くなりますね。
(というかイラストレーターさんのデザインに合わせて本編を変えた方が良いまである。向こうはキャラクターデザインのプロなので)
――――――――――――――――――
凡才のための執筆工程表 忍野佐輔 @oshino_sasuke
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