閑話:三幕八場の構成について(簡単説明)

●【三幕八場】の概要

「人間が物語を楽しむ際に最も自然な構成とはどういったものか」を研究した結果として作られたもの。

物語を尺(時間)で等分に八分割し、どれだけの尺でどんなことをすれば良いのか定めている。

主に映画の脚本で扱われる構成技法であり、

映画一本と小説一冊の情報量が近いため流用がしやすい。

三つの「幕」と、八つの「場」で構成されている。


八つの「場」を、一幕、二幕、三幕のまとまりに分けている。

一幕には1〜2場、

二幕には3〜6場、

三幕には7〜8場で構成されている。


物語のスタートには『セットアップ』

各幕の切れ目には『プロットポイント』

物語の真ん中には『ミッドポイント』

終わりには『エンディング』

という物語の転換点となる出来事を起こす。




以下、A4160枚で構成された小説の三幕八場構成の分解。

(枚数は説明しやすさを優先してますので、実際にはもっと少ない枚数で作ります)





【一幕】0~40P

・この物語はこれから何が始まるのかを読者に伝えるパート。

物語の前提条件を提示して期待を持たせる事が目的。

物語全体の4分の1を構成する。


  [1場]0~20P

  事件発生。状況説明、発端となる事件。

  ・『セットアップ』

   物語が持つイメージを伝える。


  [2場]20~40P

  主要問題の設定

  「1場」で印象づけたイメージを明確に。

  「二幕」を動かす主要問題(セントラルクエスチョン)を提示。

  ・『プロットポイント1』

   「一幕」を前提にして「二幕」へ向けてはずみをつける出来事を起こす。

   この事件をきっかけにして物語の背景や性質を変える。



【二幕】40~120P

・一幕で期待させた内容に応えるパート。

主要問題の解決に向けて物語が動いていく。

物語全体の2分の1を構成する。


  [3場]40~60P

  もっとも低い障害を提示する


  [4場]60~80P

  二番目に高い障害を提示する

  ・『ミッドポイント』

   物語の性質、方向性を切り替える。

   また物語の情報を整理する余裕ができる理由を用意する。


  [5場]80~100P

  ミッドポイントによって切り替わった状況の整理、説明。


  [6場]100P~120P

  もっとも大きな障害の提示

  ・『プロットポイント2』

   主要問題がここで解決する。

   その上で「二幕」と「三幕」の切れ目となり、

   物語の性質と方向性の変わる出来事を起こす。



【三幕】120~160P

・物語のクライマックスを描くパート。

 物語のオチをつけて読後感を作成する。物語全体の四分の一を構成。


  [7場]120~140P

  全体のクライマックス。

  読後感を作るために、

  一~二幕を通じて出てきた全ての問題の解決へ向けて動く。

  そのためのいわゆる「最後の対決」を描く。

  また、その結末にひねりを加えるとよい。


  [8場]140~160P

  全ての問題の解決。

  ・『エンディング』

   「どんな気持ちで本を置いてもらうのか」を意識して余韻を作る。

   






●参考にしたもの

とあるSF作家さんが話していた内容を、自己流に解釈したもの。

(問題があると困るので、名前は伏せます)

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