概要
刻々と米国に迫る伊400。対抗するミサイル防衛網。V2は発射されるのか
ポルトガル沖で発見した謎の潜水艦に、飽和潜水を駆使して挑む矢倉。その中からは、最強の毒ガス、ザビアの原液が発見される。
一方、アメリカ合衆国に挑戦するかのように、刻々と東海岸に近づく伊400。目的はカワード大統領が目論む新しい経済秩序、”管理金準備制度”を阻止するためか?
一方、アメリカ合衆国に挑戦するかのように、刻々と東海岸に近づく伊400。目的はカワード大統領が目論む新しい経済秩序、”管理金準備制度”を阻止するためか?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「大人のエンタメ」を求める方に
「Ⅰ」「Ⅱ」通してのレビューになります。
現代のワシントン郊外にミサイルが着弾。それはなんと大戦中のドイツV2であって、発射したのは旧日本軍の巨大潜水艦伊400型とわかる――という衝撃的なイントロ。すわ派手なミリタリーアクションかサスペンスミステリ開幕かと思うと、これが違う。金融小説っぽくて、ちょっと驚きます。
特に「Ⅰ」はその色が濃い。撃ち込まれた米国が反撃に出ずに延々会議ばかりしているし、主人公のダイバーは前半は本筋に絡まないしで、展開が遅く感じられます。
「Ⅱ」に入ると物語が加速し、Ⅰで張られた伏線回収もあり冒険小説の色合いが強くなります。取材調査を背景にした設定の見事さという本…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ダイビングと兵器と経済について、興味がなくても読んで欲しい
個人的に最近、人間魚雷についての作品を読んだ後でしたのでタイムリーな話でした。
人間魚雷は、
「日本軍の現状を打破する物だ」
と、当時の潜水学校の生徒達は日本の未来を救う為に喜んで乗ろうとしていたらしいのですが、人間魚雷を作った技術者は、脱出装備が無く乗員が必ず死ぬ兵器を造ることを皆、嫌がったとのことです。
普通、逆だと思われますが、時代背景や潜水学校の生徒達、技術者の思いを慮ると、やるせない気持ちになります・・・。
本作は、
・「国家とは何であるか」
と言う考えや定義について、そして今や限界を迎えていると思われる
・「資本主義経済の打開策」
などを鋭く突き、宇宙並みに神秘的な
・「海へのロ…続きを読む