第19話 ミミとごはん事情

ミミが肥満になってしまったのは、やはり私達飼い主がいけないのだと思う。太ってしまった背景には間違いなく、ごはん事情がある。

ミミは普通のドックフードは絶対食べなかった。えさ皿に入れても、少し口をつっこむが、結局は一粒も食べずに終わってしまうのだ。

普通のドックフードを食べないので、何をやったかをというと、犬専用の缶詰をあげた。ミミはぺ○○グリーチャムの缶詰が大好物だった。たぶん、味がよかったのだろうけど、その缶詰については、あげるとあっというまにぺろりと食べてしまった。なので、うちの母もその缶詰を日常のようにやっていたが、しかしそれにしてもしょっちゅうあげていたので、太る原因の一つになったのは間違いないのである。


じゃあ、その缶詰だけがいけないのかというとそうでもない。ミミの好物はほかにもあったからだ。まずは鶏のささみである。母はよくミミ専用で鶏のささみを買ってきてはそれをゆでてミミに与えていた。ミミもそれは大好きで、嬉しそうに食べていた。あとはレバーとかも好きで、よく食べていた。そして極めつけは鉄火巻である。

たまにお寿司をとって食べることがあったが、母はミミの分もとってあげないとかわいそうだと思い、お寿司を頼むときは一人前余分に鉄火巻を頼み、その鉄火巻をミミに食べさせていた。

人間様だって、そうそう鉄火巻食えないのに、それを犬に食わせてしまうというのは、やっぱり行き過ぎなような気がするのである。しかし母的には、あんたらが食っていたらミミだって食べたいに決まってるじゃないという意見を展開するのである。まあ、確かにミミも食べたいよなあとは思うんだけど、でも鉄火巻あげるのはどうかなあって思うのである。配達でくるお寿司屋さんも、まさか犬が食ってるなんて思いもしなかったことだろう。こうしてミミはどんどん贅沢になっていき、尚且つ太っていったのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る