第38話 ミミとの別れ
ミミとの別れはすぐにやってきた。ミミが足を悪くしてから三ヶ月後ミミは腎臓を悪くてしまった。歩けなくなったことで、おしっこがでなくなってしまったのだ。それとともにミミは風邪を引き、肺炎を起こしてしまった。病院に連れて行ったら、もう駄目ですねと言われた。それから家に帰って、ミミを横にさせてあげた。ミミは息も荒く、ぜーぜーいって、とても辛そうだった。ミミはどうなっちゃうんだろう。とても心配だったが、私らにはもうどうすることもできなかった。私がたまたま二階に行っている間、階下が騒がしくなった。何事かと思って下に行くと、母が言った。「ミミが亡くなった」と。
一瞬、えっと思った。さっきまで息してたのに…。ミミが死んだことが信じられなくて、ミミの体をさすった。触るとミミは、まだ温かかった。目は開いたままっだ。母がミミの目を閉じてやり、辺りはすすり泣きへと変わった。12月29日の夜の11時頃のことだった。
その夜私はミミと一緒に最期の夜を過ごした。階下に毛布を持っていってミミのそばにいた。ミミは太っていたせいか、息絶えてからも、体温が逃げず、温かかった。それでももう動かないミミを見ると悲しみがこみあげてきて泣いた。その一方で不思議だった。命がなくなるとこんなにも空虚になってしまうのだろうかと。ミミの体はここにあっても、もうミミではないのだ。分かってはいても、私はそのままミミと一緒に夜を明かした。
次の日、ミミを火葬場へと連れて行った。ミミの体にはまだ体温が残っていて、火葬場の人もまだ温かいですねと驚いていた。私達はミミを火葬してもらい、ミミの遺骨を家へと持って帰った。そうして私達の目の届く家の庭へと埋めてやった。そのまま大晦日を迎え、年も明けた。ある意味最悪の年明けだった。
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