第34話 受験勉強その2

史学部志望者だった私だが、じゃあそんなに受験勉強していたのかというと、あまりしていなかった。何をしていたかというと、小説書きである。私は小説家志望なのになんで受験勉強なんてしているのだろうかと疑問に思ったものである。高校生のうちに小説家になれれば、受験勉強なんてしなくてもいいのではないかと真剣に思っていた。

その根拠のない自信はどこから湧いてくるものなのか、今もって疑問なのだが、それでも当時の私は悩みに悩んでいた。小説を思いっきり書きたい!でも受験勉強しないと!と、この狭間で揺れに揺れていた。まあ、要領のいい人だったなら、受験勉強も小説書きもうまい具合にこなして、どちらもゲットしていたかもしれないが、私の場合はそんな器用でもなかったので、どうしようか、どうしようかそればかり考えて無駄に時間を過ごしていた。やはり人っていうものは、迷いのあるうちは行動に移せないものである。ましてやそれを成功に導くことなど不可能なのである。


受験勉強は何のためにするのか。その疑問はずっとくすぶり続けていたが、それでも早稲田の第一文学部からは小説家が多数出ている。その第一文学部に入って勉強すれば、小説家になれるわけだ。じゃあ、早稲田の第一文学部に行けばいいわけだと考えるが、一方で史学部志望である自分もいるわけで…。待て待て。考古学といったら、早稲田の史学部が有名なのである。あの吉村作治先生だっているところだ。これはもうものすごく悩む!というわけで、第一文学部と史学部どちらを受けるべきか、眉間にしわを寄せながら考えたわけである。というか、中堅どころの大学だってひっかからんだろうというレベルの私が早稲田を受けようという時点でアウトである。しかしまあ、恋は盲目ならぬ、受験は盲目なのである。奇跡が起これば受かることだってあり得る!ということで、どちらを受けるかは私の中では本当に本当に重要事項だったのだ。

で、どちらを受けたかというと、結局第一文学部を受けることに決めたのである。じゃあ、他に受ける受験校も全部文学部に変更したのかというとそうではない。結局私は気持ちを絞れないまま、試験に向かうことになったのだ。

受けた受験校はこちら!


早稲田第一文学部

駒澤大学(史学部)

國學院(文学部)

東海大学(史学部)

和光大学(文学部)

文教大学女子短大文芸科


括弧にしてあるのは、今は名称も変わっているみたいなので、まあこっち系の学部とおおざっぱに書いてみた。あと1校なんたら家政科短期大学の現代学科かなんかを受けたはずなのだが、名称忘れてしまった。


というわけで、私の偏差値レベルでは短大以外は全部記念受験だったのは間違いないのである。今思えば、身の程をわきまえようよ!と言いたいだでけある。


受験の結果は次の章で!

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