第30話 ミミとこたつ

ミミは冬の季節になるとこたつの中に入るのが好きだった。猫じゃあるまいしと思うが、いつの頃からか、ミミはこたつの中がとても暖かいことを知ったらしい。最初のうちはこたつ掛けに頭をつっこむぐらいだったが、そのうちずいずい入り込んできて、気がつけば、体ごとこたつの中である。皆の足に囲まれて、さぞや居心地が悪いだろうと思うのだが、それでもミミはこたつの中にすっぽり入るのだ。


もともと毛の長い犬種ではないので、寒かったのかなあとも思う。しかし家の中にいる時点で、犬にとっては十分暖かいのではないかと思うのだが…。たぶんお腹の辺りが寒かったのかもしれないと推測する。


で、十分こたつを堪能したミミはさぞや大満足であろうと思うのだが、体ごと入ったミミはしばらくこたつの中にいるが、そのうち這って出てくるのだ。そして、ぜーぜーはあーはあー息を切らしている。そんなに熱いなら、こたつの中に入らなければいいのにと私は思った。それでもミミはこたつに入るのを止めなかった。しかしその結果、ミミは皮膚病になってしまった。皮膚病の原因はいろいろあると思われるが、きっとこたつの中に入ったのもなんらかの作用があったのではないかと思われる。

しかしそう考えると、猫だってこたつ好きのはず。猫も皮膚病になったりするのかしら~と、ちょっと不思議なのである。というか、猫だってこたつの中までは入らないということなのか?猫はこたつで丸くなるというあの歌は嘘なのかしら?ミミが皮膚病になり、いろんな疑問が湧いてきたが、結局のところ、犬は犬らしくこたつに入れるべきじゃないということだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る