第8話 書き続ける先にあるもの

 新着小説の数が、だいぶ減った気がします。

 やはりコンテストが終了したからでしょうか。

 以前なら、予約投稿にすると、続々と手動でアップされる他作品であっという間に「新着小説」トップ画面から追いやられていたのに。


『恋は潮風に乗せて♪』(『潮風に包まれて』続編)の連載を毎月曜20時更新と決めて、先ほど第2話を予約投稿でアップしたのですが、30分経過しても「恋愛・ラブコメ」3番手に居ました。10日前までなら、瞬殺だったのになあ。


 読み手も書き手も両方とも減ったのでしょうかねえ。

 残念ですねえ。


 読み手サイドに関しては、毎度「なろう」と比較して恐縮ですが、同じ連載でも相変わらず「なろう」のアクセスはケタ違いに多いです。

 さきほどアップした第2話は、こちらではまだゼロですが、「なろう」では20時ジャストから続々と増え、20時台だけで既に100越えてます。

 この違いは一体なんだろう~。


 さて、書き手サイドについてですが、

 少し前になりますが、モノ書きになるには上手い下手よりも 書き続けられるかどうかの方が重要だ、とある先輩に言われたことがあります。

(もちろん上手いに越したことはないです)


 最初の内はいろんなアイデアが浮かんで、あれもこれもと書けるかもしれないが、大事なのはその後だ、と。

 プロになりたいなら、とにかく毎日書き続けろと。

 確か、ハードボイルド作家の大沢在昌さんもそんなことを仰ってました。どんな時でもとにかく一定の量を自分は書くし、後輩にもそう指導すると。

 思い付きや、偶然のヒラメキだけでプロの世界を生き延びることはできない。本当にそれを続けたいなら、どんなに苦しくても辛くても とにかく 息をするように、眠るように、食事するように、日々当たり前にやることの中に「書く」を落とし込みなさい、と。


 その時は、なるほど~と頷くだけで終わったけれど、いまはしみじみと腹のあたりにじわあんと来ますね。


 さらに、以前に翻訳家の大先輩で、ビジネス書から童話まで幅広く活躍される大御所さまの忘れられないひと言があります。

「唸るような名訳の一文よりも、さらりと読める1冊分の翻訳文章をコンスタントに出せるのがプロ」。

 まあ、そんなこと言いつつも、その方の翻訳文は一冊分全部が名訳なのですが、確かに、どんなに素晴らしい訳文を出せても、一冊をきちんと期限内に仕上げないことには話にならないのがプロの翻訳家の世界でした。

(あれ以上続けていると頭が全部剥げてしまいそうで、この世界からは数年前に足を洗いました、それくらい頭脳労働が激しくて、当時はお風呂で髪を洗うのが怖かったくらいです)


 私はまだ全然「プロの書き手」には程遠いけれど、今回の連載を終えてみて、その後の虚脱感を経て、なんとなく諸先輩方の言葉が腑に落ちるのです。


 ちなみに、私の中での「プロの書き手」の定義は、「お金を稼ぐ」ではなくて、

「自分の伝えたいことを思いのままに読者に伝える力のある書き手」です。


 とにかく いまは どんどん書こうよ

 書いている内に、だんだんと上手くなるかもしれないし、

 読む力もつくかもしれない。


 思い付くままでもいい、翌朝に読み返したらぎゃあ!と叫んじゃうようなのでも、いいよ、 それでも いまはとにかく、書いてみようよ!


 そんな呪文を自分に唱えながら、初夏を迎えたいと思います。

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