第30話 作品の全面改訂着手とお伊勢参り

 しばらくぶりの更新になりました。

 近況ノートでもお知らせしたのですが、現在、全作品の改訂作業に入っています。


 カクヨムオープンと同時にアップし始めた拙小説や、その後に始めた拙エッセイは、大変申し訳ないことに「小説の書き方」「読んでもらうための作法」が不十分な点が目立ちます。

 また、その後 芳賀さんの貴重なご示唆を始め、たくさんの「書き方」指南のエッセイ等々から学ぶことが多く、それらを元にいまこの時期に全面改訂することで今後の土台をしっかり築けたらと思っています。


 恐らく全面改訂にはここ1~2カ月くらい掛かりそうなので、どうぞながーい目であたたかーく見守ってやってください。


 エッセイコンテストに参加している「銀色夫婦物語」も、構成からやり直しの予定なので、しばらくお時間を頂くことになりそうですが、準備ができたら毎日更新をしたいと思っています。 どうぞお楽しみに。


 さて、先日、出張の後に足を延ばして、人生初のお伊勢参りを実現しました。その時の幸せ感を皆さんとご一緒できたら嬉しいので、良かったら受け取ってください。


 現地・伊勢神宮ではツウの友人が案内役を買って出てくれて、最初から最後まで密度濃い旅程でしたが、まるで天の神様が「待ってたよ」と言わんばかりの珍事が続きました。


 その一つが、初日に外宮げくう(伊勢神宮は外宮と内宮、その他多くの御宮さんから成っています)の本殿をお参りした際のできごとです。

 一般の参拝者は、白い御簾みす越しでなければお参りできないのですが、ここで最初のハプニングが起きました。

 参拝の行列に並び、順番が来て 私と友人の二人で参拝に進み出た途端、

 さっと一陣の風が吹いて その御簾がふわりっと3回 捲れ上がったのです。

 しっかりと奥の扉(入口)まで 間近に拝見しながらお参りできた、つまり一般の人間には立ち入りが許されない場所を通り越して拝礼できたのです。


 昨今のお伊勢参り紹介のTV等を御覧になった方はご存知と思いますが、本当に運の良い参拝者か高僧にしか起きない現象とされていて、たまたまそれに巡り合った尼さんは喜びのあまり泣き出してしまったそうです。

 それが、私たちの目の前で起きた時の驚きと言ったら。まさか、と思わず顔を見合わせてしまいました。


 以前から冗談半分で、私とその友人は遥か昔、太古の時代に巫女さんの同僚だったんじゃないかと言い合っていたのですが、その場面で私の口からとても自然な形で出た言葉は、「ただいま」でした。


 特に信仰心はないけれど、あの場所はやはり日本人のルーツ、大和魂の心のふるさとなのだと直感的に感じたのでした。


 そして二つ目には、週末で結構な参拝者数があるのに、点在する社の前に進み出て私達がお参りしようとすると、外宮げくうでも内宮ないくうでも、気が付くと周囲に人がおらず、私達二人だけで静かに参拝できたことです。

 偶然そのタイミングだったとしても、ほぼ毎回そうした状態が実現したのはなんとも不思議でした。


 極めつけは、最初の晩の夕食の際のことでした。

 ちょうどタイミングよく素晴らしい夕焼けが大きな窓から見えたのでカメラを構えて、すぐ横の、窓際の年配のご夫婦のご迷惑にならない様に、ちょっと会釈してから何枚か写真を撮っていたら、そのテーブルにイセエビの御造りが二つ運ばれて来たのです。

 そう言えば、フロントでお勧めの張り紙が在ったけれど、事前予約のみだし、歳と共に食べる量も大幅に減ってるから無でいいよね、と話したばかりだったのです。


 確かにそれはホテルで名物とお薦めするだけあって、豪勢で目を見張るものでした。

 「おお、見事ですね~」と軽くお声を掛けて「お騒がせ致しました、失礼いたします」と会釈してそのお隣のテーブルに戻ったところ、私たちの料理も運ばれてきました。記念写真を撮りまうしょ、と運んできた着物姿の若い女性が言ってくれたので、二人で喜んでポーズをとりました。

 するとその瞬間、なんと、先ほどの窓際に座っていたご主人様の方が、その御造りの独り分をポーンと、私たちのテーブルに突然 上から降らせてきたのです。


一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。

「せっかくだから食べて。一人前のつもりが間違えて二人前頼んじゃって食べ切れないし、それまだ手を付けてないから」

――いえいえ、そんな、頂けません、

――いいから、いいから

――いやでも……

――ま、とりあえず写真 早く撮っちゃいなさいよ お姉さんも待ってるし

――ああ、はい、


なんてやり取りが続き、結局 その御造りと、その後に供されるそのイセエビの殻で出汁を取った潮汁まで御馳走になってしまって、私達からは取り敢えずのお礼にビール大瓶一本をそのご夫婦のテーブルに運ばせて頂いたのですが、いやあ、もう有難いやら申し訳ないやら。

 でもとても旅慣れた素敵なご夫婦で、最後まで楽しく会話させて頂けて、有難いご縁でした。


その後、部屋に戻った私達は再び顔を見合わせて、

「ねえ、どっち(が『持ってた』)だと思う?」

「う~ん、あたしたち、一緒に居るとダブルだから、最強になっちゃうのかも」

「うん、あり得るね、ちょっと『気』のコントロールを気を付けようね」

なんていうエスパーの会話をまことしやかにしたのでした。


 

 お伊勢様にここまで歓迎された私達、きっとその分 この社会でやるべきことや使命や課題は山ほどなんだろうな、残された人生をそれに使えと言われているんだろうな、ともちろん気を引き締めたのは言うまでもありません。


 そして実は、参拝の際にはしっかりと3つの作品を印刷したものをファイルに入れて帯同しておりました。

 カクヨムで初めて連載した『潮風に包まれて』、

 最新作の『恋は潮風に乗せて♪』

 現在コンテスト参加中の『銀色夫婦物語』

 です。


 心の中で神様にお願いしたのは、

「どうか この作品を読んでくれた皆さんの心に安寧が訪れますように」

「この3作品が一人でも多くの読者さんに愛されますように」です。

 これからの改訂でさらに愛される作品に生まれ変われますように、という願いも籠めて祈りました。


 相変わらず、秀作の多いカクヨムの世界では、なかなかアクセスや星も伸び悩む作品たちではあるけれど、なぜ作品をここでアップしているのかと自身に問うた時、 浮かぶのはやはり「読み手も書き手も共に幸せになりたい、なれますように」でした。


 ですので、拙宅をご訪問下さった皆さんに変わらぬ感謝を捧げると共に、少しでも多くの幸いが訪れますようにと願いながら、これからも書いて行きたいと思います。

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