第2話 笑顔で書き続けるためにーほのぼの長生きVS毒吐き短命

 WEB小説投稿の世界には、若い方々が多いとちまたの噂ですので、私のように「この先の余生はお話の読み書きで過ごそう~♪」なんて呑気な世代はまだ少ないかもしれません。

 加えて、超が付くほどのIT&WEB音痴を自認しており、ご来場の皆さんには、はてな???な呟きも多いことでしょう。

 そんな自覚を抱きつつ、実はコンテストの読者選考期間中に少し気になっていたことを、記憶が新しいうちに書いておこうと思います。


 せっかく新たにエッセイを始めたのに炎上させるようなことは書きたくないのですが、チキンな心臓をこらえつつ、えてお伝えしたいのは、

「毒吐きは短命に繋がるのでほどほどに」です。


 沸々ふつふつと沸き上がる怒りやいきどおり、大いなる憎しみを創作の原点とされている方もあるでしょうし、それ自体を否定する気は全くありません。

 それが本望なら、それで驀進ばくしんされるのもまた人生と思います。


 しかし、もしそれが本心に基づいていないときは、ご用心です。

 そのマイナスエネルギーは書き手自身さえ呑み込んでしまうことがあるからです。


 江戸っ子の血を引く超短気な生を受けた私が、あっちぶつかり、こっちぶつかりしながら半世紀近く生きてきてようやく会得したのが、「マイナスからプラスへの転換」であり、以下は自省を込めてお伝えしたいことでもあります。


 ブログでもエッセイでも、否定的な毒吐き記事を書くと、アクセスは伸びます。

 それは、皆が心の中に抱えている悩みや苦しみ、怒りなどが共鳴するからだろうと思います。

 多くの共感を得て、アクセスは伸びる、星も賛同者も増える、そしてどんどん内容はエスカレートする ―― もしかすると、次第に社会的使命に目覚めたりして、もう止まれない、なんて思い込んでしまうかもしれない。


 しかし、果たして、その先に幸せは待っているのだろうか? 


 もし少しでも疑問を感じたら、ぜひそこで、一旦 立ち止まってみて欲しいなあと 年の功亀の甲の私は思います。

 毒を吐き続けているとかなりのエネルギー消耗となり、ひいては心身をむしばみ、短命に繋がります。


 *注* 誤解の無いように申し上げますが、エッセイのタイトルに「毒吐き」及びそれに準ずる文字のある方々を批判・誹謗中傷の意図は全くございません。それはあくまで執筆の姿勢を表明されているものであり、実際に書かれている内容は決して毒ではない場合も多く、あくまでキャッチ―な効果を求めてのことと拝察致しておりまする。以上*


 別に、批判しちゃいけないなんて、全然思っていません。

 それはそれで、ストレス解消になったり、建設的な批判はむしろ改善に繋がったりもしますので、本当におかしいと思っていることを伝える批判なら、どんどんどうぞ、と思います。


 けれども、批判と誹謗中傷は違います。

 後者は明らかに、相手のエネルギーを奪ってしまいます。

 そして、それが引いては、相手だけでなく、当人をもむしばみます。

 なぜなら、相手に射った筈の矢は、実はご当人にも、その10倍くらいの矢を同時に射っており、それにより、ご自身の生きるエネルギーまで奪い去られる可能性もあるのです。 

 それくらい、黒いマイナスのエネルギーは大きな力を持っています。


 なにも、聖人君主になれってことじゃ、ありません。

 大事なのは、コントロールすることだと思います。

 私自身、マイナスのエネルギーをコントロールできなかった若い時代は、本当に苦しかったのを思い出します。嫌なこともたくさん降ってきて、なんで?なぜ私にだけ?なんて思うこともありました。


 けれども、年と共に少しずつコントロールできるようになると、不思議なことに、様々な可能性の窓が開き出しました。 敵だと思っていた人が一人減り、二人減り、味方や応援団が知らぬ間に現れることも増えました。 それにより、生きることがどんどん楽になってきたのです。 いまでは、この状態を創出させるために神様がそれら負の経験を天から降らせたんじゃないかと思えるほどです。

 それが、「書き手も読み手もハッピー!」を目指したい私の原点かもしれません。


 言霊ことだま、という言葉を、書き手の皆さんなら良くご存知でしょう。

 言葉には力があります。

 皆さんが思っていらっしゃる以上に、ご自身が書く言葉にはエネルギーがあり、想いが籠っています。

 どうぞ ご自身を過小評価なさらずに、その力を「笑顔で書き続ける」ことに向けて頂けたら幸いです。


 エラそうに聞こえたらごめんなさいね。

 なぜ私がそんな風に思うのかを少しばかり補足しますね。


 私は、大切な友人をとても若くして失いました。

 佳人薄命かじんはくめいという言葉通り、素晴らしい人でした。

 見目麗しく、写真学校のモデルのバイトをするくらいの美人な上に、頭も良くて、英語もペラペラで、性格も最高に優しくて、非の打ち所がなかった彼女。

 なのに、ある日突然倒れて、そのまま……。


 世の中は理不尽です。

 毒吐きの対極に居た彼女がなぜ、と思いますが、実は短命には二種類あって、

「物凄く素晴らしい人」と「毒吐き消耗人」の両局がそれに該当するらしいと経験から実感しています。

 ゼミで一番優秀だった人格者もまた、同期で最初に天に召されてしまいました。


 そして、それ以来、彼女らの分も生きようと思ってきた私は、「長生きの秘訣」の類を読みあさるようになり、共通項があることに気付いたのです。

 それは、

「長生きする人は ほどほどが合言葉」

「プラス思考で、悪口は言わずユーモアーでくるんでお終いにする」

「頑張るけど頑張り過ぎない」

「黒いエネルギーの人とは距離を置く」(やり込めたりする必要はない)

「非難するより、提案する」などです。


 太く短く生きるのも、細く長く生きるのも、人それぞれ。

 どんな生き方をしようとも、自由です。

 でもせっかくなら、笑顔で書き続けていきたいので、私はできるだけそんな風に生きていきたいなあと思っています。


 みなさんの笑顔がこれからも続きますように。

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