ハヤシダノリカズ

『どうしてこんな事に……』『なぜ、こうなってしまったのだ？』と、運命に翻弄される人生は、きっと珍しいものじゃない。 世の中には【ギフテッド】と羨まれる幸福な人間がいる一方、マイナ…続きを読む

この物語を構成する文章の一つ一つが、私に映画【スワロウテイル】を思い出させました。映画【スワロウテイル】を私は見た事がないのですが。 この物語の世界観を形作る文章、その文章内の適…続きを読む

明確に描かれないまま進行する物語のディティールは、おそらく読者に様々な色彩と空気感を持たせるだろう。 そう、物語に出てくる重要なアイテムである水槽がどんなカタチでどんな大きさなのか…続きを読む

それなりに歳をとった私にとって、アメリカ合衆国という国は、スタイリッシュでクールでオシャレで、常に日本の先を行っている国というイメージが長くありました。 野蛮さから遠い国、アメリ…続きを読む

そして、ヒトは自らの思い出すら改竄する。

改竄の後にしか訪れない幸せを抱く事でなんとか生きていられるヒトも、いる。

それは、自分自身の人生を諦めて、メタ視点に立つ事で到達出来る境地なのかも知れない。 翻って考えるに、それは、自身を見つめ直す事に繋がる思考方法なのかも知れない。 人生はクローズ…続きを読む

そんなたとえを言ったとしたら、おそらくは即座に否定される。 だけど、話せたら、言葉を扱えたら、文字を書けたら、文章を綴れたら、人は物書きになれるのかという問いに、我々は口をつぐむ…続きを読む

野生の世界における暴力とは秩序を生み出すものである。 人間の世界における暴力とは混沌を生み出すものである。 しかし、人間という存在自体は野生から大きく乖離したものではない。 人…続きを読む

誰かとの優劣を競う美しさに重心を置いて生きる事は果たして幸せだろうか。 誰かとの優劣を競う華美に意味はあるのだろうか。 この作中の寵妃は、もしかしたら、あなたの自尊心そのものかも…続きを読む

ヘモシアニンを血中に持つ生き物の血は青い。それは酸化銅の色。 ヘモグロビンを血中に持つ生き物の血は赤い。それは酸化鉄の色。 そう。人の血は赤く、その赤は鉄由来のもの。人の身体を巡…続きを読む

世間が美徳としている個性は、きっと持ちすぎない方がいい。 色んなことを卒なくこなせて、周りのみんなに気配りが出来て、誰かの助けを必要とせずに生きていける……、そんな人が抱える孤独は…続きを読む

生物学上、人間というのは季節を問わずに発情できる稀有な存在らしいですね。 そう、人間とはその気になれば年がら年中発情し続けられる生き物なんです。だから、文化の成り立ち次第で「気持ち…続きを読む

商業作品にさえライトでポップな【奴隷を買ってチートなハーレムライフ】みたいなものが存在する現代において、奴隷をテーマに描いているこの作品はしっかりと重い物語です。 奴隷をライトで…続きを読む

この物語を読んだ読者はきっと最初に思うでしょう。『幸せにしかなれない呪いってなんだよ。それは呪いじゃなくて祝福だろ？』と。 そして、物語を読み終えて『いや、やっぱ、これは呪いだわ…続きを読む

人生は、短く 人生は、長い。 誰にも打ち明けられない葛藤を抱えている時間は重く長いけど、それでも過ぎ去ってしまえばあっという間で、そして、やりきれない後悔は、時の過ぎ行く早さと後…続きを読む

何を書いてもネタバレになってしまうし、ネタバレになったらこの作品の面白さは半減してしまいます。だから、何も書けません。 ただ、「読者が勝手に持ってしまった違和感さえ、伏線」と言え…続きを読む

このエッセイに描かれている場面はほぼ家の中で、核となるのは顔も知らない相手との電話の様子と作者自身の心の動き。 もしも、この作品を下手な映像作家が映像化したならば、とても地味な絵…続きを読む

古典作品をポップアートに仕上げたら、こんな感じに軽快になるのでしょうか。 なるのです。 誰もが知ってるあの物語を誰も知らない物語に変化させて、そして、読者をクスリとさせて、ホロリ…続きを読む

文章を読んで、それを頭の中にどう展開するかは読者の自由だ。 写実的な表現を読んで感覚的な概念として楽しむ事も、感覚的な表現を読んで自由に想像を広げてディティールの細かい映像を頭の中…続きを読む

単体で出した音はどうにも間が抜けて聞こえる楽器……、幾種類ものそんな民族楽器で奏でられる悠久の歴史と美を讃えるメロディ。この作品の背景には常にそんな音楽が流れているように思えます。…続きを読む

物語を執筆するというのは、それが文学にせよエンタメ小説にせよ、ロックなんですな。 ロックな所業、それが執筆活動。 この物語は、読者にツッコミを許してくれません。ツッコもうとする…続きを読む

人が出会い、愛し、別れ、そして再び出会うその対象は常に人である必要はないのだ。 人はTENGAと出会い、TENGAを愛し、TENGAと別れ、そして再びTENGAと出会うのだ。 …続きを読む

これはワタクシゴトなんですが……、私は英語も中国語もできないままに、アメリカや中国に出張へ行った事があります。 その時に思ったのは、勧められた食い物はなんでも「おいしい！」と美味…続きを読む

音楽好きはみんな知っていると思うけど、

音楽って、魔法なんだよね。

この作中のキャラクターの肉付けは、微に入り細を穿つようなものではない。どちらかと言えば素っ気なく、最低限の肉付けしかしていないように見える。 ところが、読み進めるにつれ、「いるい…続きを読む

学生時代のキラキラは、当事者にとってはまるで甘くないシュガーレスなモノだったりするのかも知れないけども。 その時代が追憶の彼方に行ってしまったその時に、その時代を懐かしんで心の中…続きを読む

おそらくは細かいトコロまでしっかり練られた設定があって、でも、設定を説明するに終始してしまったならば、この作品は小説ではなくて設定資料になってしまったかもしれません。 そう。設定…続きを読む

小説という手法だからこその仕掛けが、この作中の愛の美しさを際立たせています。

素晴らしい作品です。三分で穏やかな満足感を得られます。
是非、ご一読下さいませ。

罪っていうのはきっと、犯そうとして犯してしまうんじゃなくて、そんなつもりは無かったのに犯してしまっていた、って事が多いと思うんですよね。 愛っていうのもきっと、愛そうとして愛して…続きを読む

登場人物は二人だけ。だけど、生き生きと描かれているこの二人のキャラクターは、迷い多き読者に一つの示唆を与えてくれます。
ステキな作品です。ご一読くださいませ。

これって、フィクションだよね。どうかフィクションであって欲しい。 でも、どうやら、マジでこんな大迷惑を被ったらしいんです、この文章を綴った作者様は。 私達が世界を眺める時、自分が…続きを読む

品行方正に生きている人には、「ざまあみろ」「自業自得だ」とスカッと面白い話でしょうし、そうでない人にはめっちゃ怖いお話です。 私は後者です。 そして、後者の同志にめっちゃ読んで欲…続きを読む

他人とは違う自身の個性に気付けば気付くほどに、人は孤独感に苛まれます。 「普通じゃない」という自覚は、見た目には表れません。「普通の見た目をした普通の人の一人である私。でも、どう…続きを読む

幸せな家庭って、こういうもんだろなって思ってしまいます。 とてもステキな作品です。 ただ、私が一人の父親なものですから、この作品内に父親が出てこないのが少し寂しい。 それはさて…続きを読む

現在4話まで読みましたが、どことなく伊坂幸太郎の【砂漠】を思い出させるような雰囲気のある文体でとても魅力的です。 こういう作品と出会う為に、私はカクヨムの無名作品を漁って読む事を…続きを読む

SNSを当たり前に使っていれば、必ずその機会は訪れる。 家族や友人も、そして、自分も。 いつかSNSアカウントを残して、突然この世を去る事になるかも知れない。 残されたソイツはど…続きを読む

ほんわかと心が温まる鍋奉行。 鍋奉行が主役の話なんて、ほんわかするハズがないんだけど、このお話はほんわかほっこりします。 ここに私が書いている鍋奉行は意味を間違えているかも知れま…続きを読む

見方を変えれば正義が悪に、親切がお節介になるように、あらゆる世界は立ち位置と見方で見え方が変わってしまう。 そして、高校生くらいの年代の感性というのは時にめちゃめちゃ鋭くて核心を…続きを読む

徹頭徹尾センスがいい作品です。 「こんな青春を過ごしたかった」と私のようなオジサンに思わせた事、そして、設定と文章と会話表現のセンスの良さ、これらに私は嫉妬を禁じ得ません。 「…続きを読む

やりきれない事ってたくさんあります。都会の辛さがあって、田舎の辛さがあって、理想とする家族のカタチなんてものはフィクションの世界にしかなくて、それぞれに意地や思いやりや立場や納得が…続きを読む

仲はいいんだけど、根本的な価値感が自分とまるで違う友達。結婚適齢期で本音を語りあったりもする友達。そんな友達が忘れて行ったスマートフォン、その友人がアンロックする仕草を何度も見て覚…続きを読む

作中に『安堵すると同時に正体不明の落胆を感じた』という一文がありましてね。この前後の文脈、その流れからとても深いヒトの業の様なものを、私は読み取りました。 人の業に踏み込んで物語…続きを読む

だらしない男と、男にとって都合のいい女……、そんな風に見えてしまう人もいるでしょう。「こんな女など、バカな男の持つ都合のいい女の幻想の象徴じゃないか。女をバカにしてる！」と怒る人も…続きを読む

風刺、皮肉、寓話というエッセンスが光るステキな作品でした。 「『わしら以外は扱いやすいバカであれ』という支配層と、バカな被支配層に世界が別れているのは、果たしてフィクションの中だけ…続きを読む

夏に向かって順調に気温が上がって行っている今日この頃ですね。 何を隠そう、このわたくし、夏になると毎年モテモテなんです。 蚊に。 血を吸う蚊はすべてメスですからね。種族こそ違え…続きを読む

美味い作物を作り上げるにはコツがいる……、素人から見ればそう見えるし、【コツ】なるモノを教わりさえすりゃ、自分にも美味いものを育て上げる事ができると思ってしまうけど、農業ってのは、…続きを読む

光や太陽というものの対比となるものは影とか闇が一般的であろうと思うのですが、虹というのものまた、太陽の反対に出るという性質を思えば、太陽の対比として描いてもいいものだと思います。 …続きを読む

色んな場面で「昔の方が良かった」という論調がありますけど、社会からはみ出してしまう凶悪な犯罪者というのは今も昔も似たような人口比でいるのだろうなと、私は思っています。 私はこの作…続きを読む

いいことなんてないんですよね、赤面症って。いや、身体的なコンプレックスは全て、自分にとってはイヤなもんです。 でも、そんなコンプレックスが関係ない場所があったり、コンプレックスを…続きを読む

【失敗せずに、最短距離の努力で人から羨まれるような成功を手にしたい病】っていう病がありますよね。いえ、ありそうですよね。医学的な意味ではなくて。 【失敗せずに】【無駄なく】【最短…続きを読む