オートマチック・ピープル

作者 カナリヤ

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★★★ Excellent!!!

久しぶりに墓参りにきた主人公は、墓前で手を合わせ亡くなった家族のことを回想する。
そこへ離れて暮らしていた家族がやって来て。
思い出にひたっていた主人公は忘れていたことを思い出す―― 

記憶の不思議さを問い、また人や社会の在り方を考えさせられる物語です。
ホラー要素もあって最後まで引きこまれるストーリーでした。
ジャンルは現代ドラマですが、ホラーが好きな方の心もつかむと思います。

★★★ Excellent!!!

現代日本の負の側面とも言うべきリアルを箱庭のように、徹底的に描写。
哀しい教訓、それは辛い日常でしか得られないものかもしれないものの、「そんなことはない」と読者は否定できない。

「オートマチック」
何と怖ろしく、的確な表現だろう。
視点の位置が明らかになるとき、無情は頂点に達する。

★★★ Excellent!!!

真っ白な日差しの下、汗がふと引くような軒下。家の描写が秀逸です。
家族の設定が現実的なので、我が身を振り返ってついこんなような人たちがいるのでは、と思える。それは現代を描く場合に大切な点です。主人公の回想は夏を足場にして自然に家族という額縁で過去を描き出します。
苦い終わりと、これでいいわけがない、と思わせる結末。
2020年の夏にふさわしい作品です。
ぜひ、夏の暑い最中に読んでください

★★★ Excellent!!!

どこか浮遊感のある謎の多い冒頭は、読者を作者の世界観にあっさり埋没させます。

謎はゆっくり解けていく。
少しずつ、少しずつ、複雑に絡まった糸を丁寧にほどいていくように。

騒がしい蝉の声が少しずつ遠ざかっていく時、作品の本当の意味が明かされます。

正義とは?真実とは?生きるとは?そんな新たな謎だけを読者の胸に置き去りにして。