タイトルから想像し得ない、夏の陰影に富んだ作品

真っ白な日差しの下、汗がふと引くような軒下。家の描写が秀逸です。
家族の設定が現実的なので、我が身を振り返ってついこんなような人たちがいるのでは、と思える。それは現代を描く場合に大切な点です。主人公の回想は夏を足場にして自然に家族という額縁で過去を描き出します。
苦い終わりと、これでいいわけがない、と思わせる結末。
2020年の夏にふさわしい作品です。
ぜひ、夏の暑い最中に読んでください

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