そして、ヒトは自らの思い出すら改竄する。改竄の後にしか訪れない幸せを抱く事でなんとか生きていられるヒトも、いる。
頭の中の妄想に色をつけて、設定を練り込んで、人格をこしらえて、喋らせて。設定は表面に出したり隠したり。 私にとって、文章を綴るというのはそのような感じです。…
時間と記憶が交錯する家の中で、主人公が自己と過去の幻影に問いかける。祖父の戦争体験から始まり、家族の解体、そして自身の不条理な終焉へと続く回想は、読者に深い共感を抱かせる。蝉の声が夏の空気を…続きを読む
真っ白な日差しの下、汗がふと引くような軒下。家の描写が秀逸です。家族の設定が現実的なので、我が身を振り返ってついこんなような人たちがいるのでは、と思える。それは現代を描く場合に大切な点です。主人公…続きを読む
どこか浮遊感のある謎の多い冒頭は、読者を作者の世界観にあっさり埋没させます。謎はゆっくり解けていく。少しずつ、少しずつ、複雑に絡まった糸を丁寧にほどいていくように。騒がしい蝉の声が少しずつ…続きを読む
帰省。わけありな家庭。ダークだけど、考えさせられる作品でした。
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