フ〇ックはただフ〇ックで、それ以上でもそれ以下でもない

生物学上、人間というのは季節を問わずに発情できる稀有な存在らしいですね。
そう、人間とはその気になれば年がら年中発情し続けられる生き物なんです。だから、文化の成り立ち次第で「気持ちいいからセックスは好き。相手が誰であっても」を公言出来るのが人間なのかも知れません。

でも、それを公言出来る人は少ない。そこには宗教や家族という単位の維持のしやすさ、しにくさや、病気の蔓延を防ぐ為といった背景があるのでしょう。セックスとはむやみに誰とでも行うものではないという観念は人間社会の維持に一役買っています。

ちょっとひねくれた見方をするなら、愛や恋という概念は社会秩序の為に都合がいいだけで、本来は人間に必要ではないものなのかも知れません。

この物語のヒロインはそんな事を思わせてくれました。
でも、逆説的に、愛や恋や温かい家庭を最も渇望しているのがこのヒロインと見る事も出来ます。

見方次第で万華鏡のように違った見え方がするのがこの作品かも知れません。

面白いです。
是非、ご一読を。