概要
彼女を好きかと問われたら、私はたぶん嫌いと答える。
中間テストの結果に落ち込むのり子と、絶望する絵美。それでも代わり映えのない日常は今日も淡々と過ぎていく。数学教師は今日もマッチョで、チョークをぼきぼきと折りまくる。のり子の母が作るお弁当には今日もケチャップがついていない。笑顔の似合わないファミレス店員は、今日も二人を窓際の席に案内する。
只のクラスメートよりも、少しだけ棘のある会話をする。お互いの連絡先は知っていても、プライベートなことには疎かったりする。物の貸し借りを──これは貸すことの方がほとんどだけど、そういうことが多かったりするだけの関係性。
のり子は今日も遠くから見つめていて、絵美は今日も近くで触れようとする。
相反する距離感。二人の想いは今日も緩やかに交錯する。
(カクヨムコン9中間選考通過作品)
後日譚
只のクラスメートよりも、少しだけ棘のある会話をする。お互いの連絡先は知っていても、プライベートなことには疎かったりする。物の貸し借りを──これは貸すことの方がほとんどだけど、そういうことが多かったりするだけの関係性。
のり子は今日も遠くから見つめていて、絵美は今日も近くで触れようとする。
相反する距離感。二人の想いは今日も緩やかに交錯する。
(カクヨムコン9中間選考通過作品)
後日譚
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!小説だからこそ描けた空気感
二人の女子高生の日常を描いた作品です。
テストの結果を気にしたり、お弁当を食べたり、ファミレスに行ったり……。
ごくありふれた日常を、独特な距離感で過ごす二人。
本作の第一印象は「ドキュメンタリー映画を見てるみたい」と思いました。
ですが、読み終えた後は「これは小説だからこその作品だ!」と思うのです。
主人公:のり子の語り口で、描かれるこの作品の空気感は、私がどんな言葉を選んでも、たぶんしっくりこない気がします。でも、読み終えると、ちゃんと読者には伝わると思うのです。
色々な物語に触れていると、「これは映像で見たいな」とか「これは絵で見たい」とか、思うことがあるのですが。
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