小説だからこそ描けた空気感

二人の女子高生の日常を描いた作品です。
テストの結果を気にしたり、お弁当を食べたり、ファミレスに行ったり……。
ごくありふれた日常を、独特な距離感で過ごす二人。

本作の第一印象は「ドキュメンタリー映画を見てるみたい」と思いました。

ですが、読み終えた後は「これは小説だからこその作品だ!」と思うのです。

主人公:のり子の語り口で、描かれるこの作品の空気感は、私がどんな言葉を選んでも、たぶんしっくりこない気がします。でも、読み終えると、ちゃんと読者には伝わると思うのです。

色々な物語に触れていると、「これは映像で見たいな」とか「これは絵で見たい」とか、思うことがあるのですが。
この作品の纏う空気感は、小説だからこそ描くことができたものなのだと思いました。

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