神崎 ひなた

　冷徹で、苛烈で、だけど不器用だった女王。持って生まれた才能を徹底して使うことで、見失った何か。 　撃鉄を引いたのは乙女。では、引き金を引いたのは？　……きっと、孤独なのではないか…続きを読む

　少女の肉体に宿ってしまったものが、運命を大きく変えてしまう。そう、運命ですね。少女にほとんど選択肢はなく、本当に「そうせざる」「そうならざる」を得ないまま、あのラストになってしま…続きを読む

　まずタイトルを見た時点で「どうせ最後でひっくり返すんでしょ！！！　知ってるんだからね！！！　騙されないわ！！！」と警戒MAXで読んだのですが、これは……本当に美術館だった。そして…続きを読む

　人との出会いは時間が押し流していく。恋も想いも、時が立つにつれ手の届かない場所に行ってしまう。ましてこの世界の流行り病は悪質で―― 　主人公の善も欲も混ぜ合わさった感情が、荒い息…続きを読む

　喜劇や喜劇に案内する職業が一般的なものとなっている不思議な世界感ですが、自然に物語に馴染んでいます。 　喜びとはなんなんだろう？　悲しみとはなんなんだろう？　そのどちらも人によっ…続きを読む

　後半のワンシーンが胸に刺さって取れません。 　顔の知らない、話したことのない、たったいま会ったばかりの他人同士。それでもお互いが「そこにいる」ことだけは間違いない。空っぽでも、無…続きを読む

　世界が海に沈んでいく中で人魚としゃべれない青年が出会う、「二人きり」の物語です。二人を繋いだ歌。そして歌が二人をどんな結末に導くのか？　海が内包する物語に溶け込んだ二人の結末は、…続きを読む

　月に打ち上げられた主人公と義姉が、生き残るために必要なものは何なのかを月で考える物語。答えは人によって様々かもしれませんが、最終的に主人公がたどり着いた答えに思わず「なるほどなぁ…続きを読む

　聖書をアダムの心情にそって描かれた物語。知識の実を食べて、自分たちは何を得たのだろうか？　何を知ったのだろうか？　それは今にも続いて横たわる、神様が与えた命題なのかもしれません。

　年末なのにゲームに勤しむ「二人」の物語。でも、このお話の真髄はそこじゃないんですよね。 　現代社会の抱える闇に、一筋の光をもたらすような。新年の始まりに相応しい、希望に溢れる優し…続きを読む

　人の振り見て我が振り直せ、ではないですが、自分も心の在り方や言葉の使い方に気をつけようと思わされるような、いい意味で、後気味の悪さが尾を引くお話でした！

　崩壊した世界で、情報生命体によって生み出された二人が「年越し」を体験する物語。 　本当に淡々と、終始冷静に物語は進んでいきます。なんの感慨もなく、なんの感動もなく過ぎていく年の瀬…続きを読む

　人の情動を媒介する新たな粒子が発見された世界で奔走する「二人」の物語。
人間の弱い心が物語にぴったりと組み込まれており、面白かったです！

　こういう「二人きりの物語」が好きなのですが、ただ単に「二人きり」を描くのではなく、変化していく人間関係・心境を描く「二人きり」の物語は新鮮でした。面白かったです！

　エリオット夫妻の元で執事として雇われることとなったロイ・フォンテーン。しかし、事態はすでに彼の掌で回っていた……。 　読み物としての完成度も高く、面白かったです！　しかし博識……続きを読む

　ありきたりな感想になってしまいますが、幸せの意味を考えてしまいます。恵まれない現実と満たされた夢、一体どちらが幸せなのか……

　はっきりとそれが何であるか語られないからこそ、優しさの輪郭みたいなものを感じ取れます。すっきり、というより爽やかさな新年の空気みたいな、そんなショートストーリです！

　昨今、食べ物に関する小説はどれもこれも美味しそうに書かれていますが、個人的にはこういう食事を一風景として切り取っている小説が好きです。淡々と、無関心に、特別美味しいと思わずぼんや…続きを読む

　違法薬物や人体改造が平気で行われるヘビーな世界感で出会った二人。世界感も好きですが、パルス君の逆境に強いセリフが非常に印象的です。きっとこの二人なら、いつかどこかに辿り着けるので…続きを読む

　虚構だろうと現実だろうと大切なものが目の前にあることに変わりはなくて、葛藤から決意までの描写はさすがの一言……！ 　メカメカしいものや戦闘の描写も、質感があったり緊迫感にあふれて…続きを読む

　洗練された文書力もさながら、最後の結末はまさに「生き様」を体現するようでエモーショナルでした。研ぎ澄まされた刃のごとく真っすぐな彼女の人生、天才という存在の意味を考えさせられる作…続きを読む

　人間の愚かさが窮地に陥るほどその本性を現すように、風刺のきいたブラックSF（なのかな？）でした。未来に希望を託すには、人間はあまりに愚かだぁ……。 　生々しくて、できれば現実に起…続きを読む

人は出会うよりもすれ違う時の方が圧倒的に多いのですが、出会っても縁が切れることが多々あります。そんな人という曖昧な生き物の縁を、鳥が結んだ物語でした。あったかくて、いいお話です。

恋愛に発展するよりも早く終わりを迎える物語がすきで、このお話はまさにツボでした。切なすぎる。悲しすぎる。そして思い出した時にはいつも遅すぎる。それでも思い出さずにはいられない。恋と…続きを読む

　気持ちよく騙されました。そういう展開になるとは思ってませんでした……。

　カテゴリ的にはライトミステリに近いと思います。 　キャラクターがとても個性的で惹かれました。男装趣味の女性、いいですね。どことなく気取った雰囲気がダーティーでカッコいいです。私は…続きを読む

　浅学菲才が衝動的にレビューを書きます。 　登場人物が皆、何かしらの病気に罹っている。それは、とある文学作品の作者の名前を冠した病気で―― 　前述のとおり、私はそれほど読書に造…続きを読む

タイトルの通り、女子高校生を引き取ったとある社会人の物語です。 奇を衒うような展開もなく、安心して陽菜ちゃんの可愛さを追える、というのはポイントが高いのでは！？ とにかく仲のいい二…続きを読む

　SME……ストレス性変異脳症により、異能を手にした人々の物語。 　タイトルからしてファンタジ―要素が多めなのかな？　と思いきや、この物語で描かれる本質は「現代」に跋扈する問題た…続きを読む

とにかく吸血姫がエロいんですよね。吸血姫に挑んだ霊能者達の戦いに、めっちゃ興奮しながら読んでいました。 描写のエロティックさもさることながら、主人公のあっと驚く戦い方にも注目です。…続きを読む

　これは異常な性質を持った女の子に囲まれる主人公と、その身の回りで起こる出来事を描いたお話です。 　幽霊、ゴミ女、ストーカー、異常に影の薄い少女……しかも全員、一筋縄ではいかない性…続きを読む

　圧倒的な知識と綿密さに裏打ちされる武侠系中華ファンタジー。 　このタイプの物語を見るのは初めてのことでしたが、とても楽しく読み進められました。 　固有名詞や世界観の難解さから読む…続きを読む

　魔王を目指し、様々な悪行を試行錯誤するヴァンだが……やる事為す事、自分を善人に押し上げる方向に物事が進んでしまい！？ 　私は小説を読む時、少なからず「解読」の目で見てしまいがち…続きを読む

　クリスマスイブの夜、一週間限定で母を蘇らせる物語です。 　母と上手くコミュニケーションをとれない「僕」の、何の変哲もない日常が描かれています。 　無邪気な母と、それにどう反応した…続きを読む

　強い霊感を持つ青年「二階堂 誠一」と、齢五百年の九尾の狐「蒼矢」が織りなす怪異譚。ライトミステリー的な雰囲気を楽しみながら読めました。 　緊張感、恐怖、戦闘シーン……それぞれの場…続きを読む

　行きはよいよい、帰りは―― 　主人公は不思議な夢を見た翌日、自分に中に現れた何者かの存在に困惑します。最初、彼は二重人格になったのかと思った。しかし、物語が進むにつれ意外な可能…続きを読む

　10年前に発生した「選別現象」によって大きく歪んでしまった少女を中心とした、怪異にまつわる物語。 　物の怪や怪異を扱った小説は多々あります。しかし、この小説には今まで私が出会っ…続きを読む

　ひきこもり歴10年。社会不適合者の烙印を押され、異世界に飛ばされたかと思いきや、その世界でも活躍できるとは限らず……。 　これから一体どんな風に物語が展開していくんだろうと気にな…続きを読む