サイバーパンクSF。荒廃した近未来社会、運び屋の少年と、不思議な少年との出会いの物語。
どストレートな少年の成長物語でした。舞台設定が好きです。お話の主題に対して、それをそのまま体現したかのような世界観。まるで鳥籠のような鬱屈した世界の片隅、まだ見ぬ空を目指して駆ける少年。まさにロマンというかこれぞジュブナイルというか、もうこれだけでご飯三杯いけちゃうやつです。
主人公のダストくんの性格、特に他者との関係性から浮かび上がる人柄が魅力的でした。なんというか、兄貴の前だと妙にかわいい。運び屋やってる割には全然すれてない、という、彼の性格がありありと伝わってくる。それでいて、パルスくんとの関係ではちょっとお兄さんっぽい。好きです。
結末はもう、最高でした。このふたりの道行に幸あれ。