★★★ Excellent!!! 英雄に打ち倒されるべき存在はどこから生まれいずるのか 和田島イサキ 村を滅ぼされ天涯孤独の身となった少女が、魔王となるまでの物語。 悲壮感と閉塞感の漂う、王道かつ直球の悲劇でした。心に深い傷を負わされた少女が、その復讐心を利用され、孤独な人類の敵へと成り果てるお話。 ある意味では英雄譚と紙一重というか、貴種流離譚をそのまま裏返したみたいなところがあって、この物語の魅力はそこにあると思います。ある種の〝危うさ〟のようなもの。ひとつひとつのエピソードに対し、つい「もしも」を願ってしまうところ。 例えばもし、彼女に力を与えたものが、もっと別の存在であったなら。あるいは家族を得てからの生活が、そのままずっと続いてくれたなら。きっと彼女の辿り着く先はもっと他にあったはず、という、そのやるせなさが胸に刺さります。 壮大なファンタジーであると同時に、孤独さや寂しさを感じさせてくれる物語でした。 レビューいいね! 1 2020年2月11日 19:32
★★ Very Good!! 「どんな時もこの剣を手放さないで…これはあなたを守るものだから」 こむらさき 一人の凄惨な目に遭い救われた少女が魔王として目覚めるまでを描いたこの作品は、異世界ファンタジーのスピンオフ作品といった趣があります。 魔王となる少女アイリーンと、周りの人たちの関係性、そしてそれを取り巻く大きな野望や思惑…。 是非、これの続編を書いて欲しいなと思いました。 レビューいいね! 1 2020年2月4日 23:17
★★★ Excellent!!! 託されたものは 加湿器 王道ど真ん中の復讐譚でした。彼女が最後に託したのは、優しい少女としての彼女自身だったのかもしれません。 彼女の復讐が本当の意味で終わるのは、少女としての彼女が魔王を討った時なのでしょう。 レビューいいね! 1 2020年1月27日 00:07
★★★ Excellent!!! その名は冒涜の少女 神崎 ひなた 少女の肉体に宿ってしまったものが、運命を大きく変えてしまう。そう、運命ですね。少女にほとんど選択肢はなく、本当に「そうせざる」「そうならざる」を得ないまま、あのラストになってしまうのは悲劇であり、皮肉です。 アイリーンが最後に辿り着いた場所に相対するのは誰なのか? 思わず気になってしまう物語で、面白かったです! レビューいいね! 1 2020年1月19日 23:37