アイリーン・F・ウッド

作者 藤原埼玉

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★★★ Excellent!!!

村を滅ぼされ天涯孤独の身となった少女が、魔王となるまでの物語。
悲壮感と閉塞感の漂う、王道かつ直球の悲劇でした。心に深い傷を負わされた少女が、その復讐心を利用され、孤独な人類の敵へと成り果てるお話。
ある意味では英雄譚と紙一重というか、貴種流離譚をそのまま裏返したみたいなところがあって、この物語の魅力はそこにあると思います。ある種の〝危うさ〟のようなもの。ひとつひとつのエピソードに対し、つい「もしも」を願ってしまうところ。
例えばもし、彼女に力を与えたものが、もっと別の存在であったなら。あるいは家族を得てからの生活が、そのままずっと続いてくれたなら。きっと彼女の辿り着く先はもっと他にあったはず、という、そのやるせなさが胸に刺さります。
壮大なファンタジーであると同時に、孤独さや寂しさを感じさせてくれる物語でした。

★★ Very Good!!

一人の凄惨な目に遭い救われた少女が魔王として目覚めるまでを描いたこの作品は、異世界ファンタジーのスピンオフ作品といった趣があります。
魔王となる少女アイリーンと、周りの人たちの関係性、そしてそれを取り巻く大きな野望や思惑…。
是非、これの続編を書いて欲しいなと思いました。

★★★ Excellent!!!

 少女の肉体に宿ってしまったものが、運命を大きく変えてしまう。そう、運命ですね。少女にほとんど選択肢はなく、本当に「そうせざる」「そうならざる」を得ないまま、あのラストになってしまうのは悲劇であり、皮肉です。
 アイリーンが最後に辿り着いた場所に相対するのは誰なのか? 思わず気になってしまう物語で、面白かったです!