概要
【登場人物】
リーゼロッテ・フェルメール(仮名):主人公(日本人)。軽い治癒の力を持つ。美少女。名前は暗黒騎士につけられた。
斉藤一人:自称・暗黒騎士ナイトヴァルザーブレード(日本人)。触れたものを剣にする能力を持つ。日頃は妄想と正気の間をふらふらしている。
戸叶まゆみ:『トカノ特殊業務社』を切り盛りする社長。苦労人。
葵川肇:『トカノ特殊業務社』営業。音声を遠隔で操る能力を持つ。とても詮索好き。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!こんなに優しい群像劇があるなんて·····
現代社会に突然異能力者が現れたら───と考えたことの無いラノベ読者はそれこそ少数だろう。
しかし、一歩止まって考えてみれば、他人を数秒で制圧してしまえる異能力者が恐怖の対象にならないわけはない。
この作品は、そういった現実性・ままならなさというものをさまざまなキャラクターの視点から描きつつ、最終的に優しく穏やかな、そして少し寂しい結末に導かれている。
また、看板に偽りなく、異能力バトルというものが時折挟まれ、その描写がまた良い。ドラマチックかつ悲壮すぎない、短すぎずも長すぎずもない·····バランス感覚の非常によい書かれ方をしていると思った。 - ★★★ Excellent!!!現代異能ものにあってなお、この物語はひどく優しい
異能のある現代日本。
誰もが震え上がる世界の終わりも、恐るべき災害もそこにはない。
会社があって、電車があって、スマートフォンがある。
町のどこかでは工事があって、独居老人だっていて、虚偽通報を繰り返してしまう人がいたりもする。
たしかに今目の前に広がる場所と地続きに思える、けれどどこにも無い町には、確かにここにない能力が息づいている。
この物語において、能力の根源はひどく傷つく事であるという。
ひとが耐えきれないストレスに自身を歪めてしまううちに、現実の側にもいくらかの歪みを生み出して折り合いをつけてしまうのだと。
そんな異能を軸に据えた物語は、自然と傷ついた人に寄り添って展開していく。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心に傷を刻まれようと、少女は生き、騎士は征く
現代社会で異能に目覚め、そのために悩み傷付く。色んな作品で見られる展開ですが、本作はその逆―――現代社会で悩み傷付いたが故に、異能に目覚めた者達の御話です。
本作の舞台は、過度のストレスが原因で超常の力に目覚める現象が、ストレス性変異脳症"SME"として広く認知された、現代日本のとある地域。そこで一人の少女と、闇の剣を振るう暗黒騎士………を自称する青年が出会ったことで、物語は始まります。
少女の眼を通して描かれる、様々な人、様々な力、そして様々な―――問題。危険極まりない能力、日常生活で便利な能力、使い道の分かりづらい能力………その一つ一つの裏に、傷付いた心があるのです。他ならぬ暗黒騎士…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ここが異世界なら、生きてるだけで冒険だ
現代サイキックもの、と、分類するならそうなると思うんですけど、怪異それ自体よりは社会と、幾人かで構成される小さなコミュニティと、そのいきづく街が重点されてゆきます。完全にジャンル違いの例えをすれば、須藤真澄のごきんじょ冒険隊が近いかもしんない。
恐らくは「現代モノ」を選択した理由だと思うのですが、従来の作品群と比べると、社会が若干リアルです。悪意の種が、全くありふれて散りばめられている。あまり咲きはしないけれど、「踏み込んできているな」という感触があります。
一応の完結を見せたけど、続きを書く予定があるとの事。どうしても、期待してしまいますね。
で!さあ!
斉藤がほんっといい奴でさ!こん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ファンタジー要素だけではない秀逸作品
キャラクターはみな、しっかり個性が描かれていて
ストーリーも背景まで分かりやすい。
あと主人公の少女と厨二病設定になりきれない斎藤くんの掛け合いは、読んでいて、笑いを誘います。
某時を駆ける厨二病設定博士のアニメを連想してしまう
暗黒騎士ナイトヴァルザーブレード様、最高です(笑)
ただ、本作品はコメディ要素だけではありません。
極度の精神的苦痛や過負荷のストレスを受けて発症する異能。
それらを理解し立ち向かう彼らの姿は
実際に病気によって偏見や差別に苦しむ姿と重なり、考えさせられる所もあります。
タイトルは暗黒騎士から始まりますが
異世界転生等のファンタジーとは違う楽しさがあるので、ぜひ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!暗黒騎士の異能譚、テーマとなるのは「現代問題」
SME……ストレス性変異脳症により、異能を手にした人々の物語。
タイトルからしてファンタジ―要素が多めなのかな? と思いきや、この物語で描かれる本質は「現代」に跋扈する問題たちではないかと思い増した。
ストレスが原因で発症する異能、という設定も然りです。
それが発生する原因はさまざまですが、いま私たちの生きている現代社会で実際に「問題」となっていることが引き金となっていることが多いです。そして、この物語に生きている人達もそれに振り回されて生きている――だからこそ面白さの中にもリアリティがあるのです。
それが一体どんなものかは、是非読んでみて確かめてください。
一話一話が…続きを読む