暗黒騎士の異能譚、テーマとなるのは「現代問題」
- ★★★ Excellent!!!
SME……ストレス性変異脳症により、異能を手にした人々の物語。
タイトルからしてファンタジ―要素が多めなのかな? と思いきや、この物語で描かれる本質は「現代」に跋扈する問題たちではないかと思い増した。
ストレスが原因で発症する異能、という設定も然りです。
それが発生する原因はさまざまですが、いま私たちの生きている現代社会で実際に「問題」となっていることが引き金となっていることが多いです。そして、この物語に生きている人達もそれに振り回されて生きている――だからこそ面白さの中にもリアリティがあるのです。
それが一体どんなものかは、是非読んでみて確かめてください。
一話一話が短く、また文章の中に余計なものが一切ないのでスムーズに読めてしまう点からも、強くオススメしたいです。
主人公やヒロインの置かれている状況、心境……それがありありと浮かんできます。
メインキャラクターである暗黒騎士の斉藤君。
彼もまたSME発症者ですが、その経緯は未だ語られていません。気になりますね……。
個人的には社長の能力も気になる……! あんな大人でも、いやあんな大人だからこそ、大きなストレスを抱えてしまうのかもしれません……。
「もし自分が発症したらどんな能力かな~」とついつい考えながら読んでしまうこの物語、社会人の皆さまにこそオススメしたい作品です!