暗黒騎士の異能譚、テーマとなるのは「現代問題」

 SME……ストレス性変異脳症により、異能を手にした人々の物語。

 タイトルからしてファンタジ―要素が多めなのかな? と思いきや、この物語で描かれる本質は「現代」に跋扈する問題たちではないかと思い増した。

 ストレスが原因で発症する異能、という設定も然りです。

 それが発生する原因はさまざまですが、いま私たちの生きている現代社会で実際に「問題」となっていることが引き金となっていることが多いです。そして、この物語に生きている人達もそれに振り回されて生きている――だからこそ面白さの中にもリアリティがあるのです。

 それが一体どんなものかは、是非読んでみて確かめてください。

 一話一話が短く、また文章の中に余計なものが一切ないのでスムーズに読めてしまう点からも、強くオススメしたいです。
 主人公やヒロインの置かれている状況、心境……それがありありと浮かんできます。

 メインキャラクターである暗黒騎士の斉藤君。
 彼もまたSME発症者ですが、その経緯は未だ語られていません。気になりますね……。
 個人的には社長の能力も気になる……! あんな大人でも、いやあんな大人だからこそ、大きなストレスを抱えてしまうのかもしれません……。


「もし自分が発症したらどんな能力かな~」とついつい考えながら読んでしまうこの物語、社会人の皆さまにこそオススメしたい作品です!


 

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