概要
――全ての敗残者にこの小説を捧ぐ
愛がなければ幸福になれず、幸福になれなければ人生の価値がないというならば、俺の人生には価値がないのだろうか。
諸兄、凡人たれ。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!なんとかなりそうでどうにもならない目の前の現実
犯罪者をバットで処刑する仕事(公務)に従事する男の日常の物語。あるいは独白。
とにかく重い。いや重くはないけど閉塞感というか無力感というか、きっと現代社会にも通底する類のそういう〝しんどさ〟のようなものを、文章越しにポイポイ投げてきてくれるお話です。大事なのはこのポイポイで、グサグサでもゴリゴリでもなくあくまでポイポイ、何の気なしに軽く(でも大量に)投げつけてくるような、この独特の感覚が癖になります。
どこか冷笑的な側面はあれど、でも語り口そのものはあくまで軽く。なのに終盤近くまで読み進める頃には、なんだか石の中に生き埋めにされたような気分になる。
世代や環境にもよるのでしょうけれど、でもそ…続きを読む