イーガン病

作者 廉価

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199人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

気に入った表現があれば近傍の作品名と作者を片っ端からチェックだ!
拒絶反応が出そうなら無理に読もうとするな…安静にしろ…(レビューとしてそれはどうなんだ

私もすべてが分かる訳ではないのですが、作品名や作者についてかなり言及してくれているので年季の入ったファンだけではなくこれからジャンルに足を踏みいれようとする御仁にとって良質で油断ならないガイドブックにもなりえる、それなのに面白い!
積んでいる本が出てくると手を伸ばす切っ掛けになるかも?
SFを手に取ってしまう人にとって、タチの悪い夢を見せられている様な、なんだぁ…これはぁ…これは酷ぉい…(恍惚)最高ダァ…

まだこのジャンルを知らないなら
引用を知らずに訳の分からなさを楽しみ、参照元を読んでからまた楽しめる!羨ましいぞ…

★★★ Excellent!!!

イーガンもテッドちゃんも好き。

タイトルに惹かれてこの〈イーガン病〉を読まされたわけだけれど、結構面白かったのでーーホントは夢中で読んだのだがーーレビューを書いた次第であります。

まずはじめに、この作中で語られる〈イーガン病〉は実在する病気であります。
私も中学生の頃に罹患し、つい最近快癒するまでその症状と付き合って来ました。
どんな病気かについてーー気になる方はーー作品をご参照ください。

次にテッドちゃんがマジ寡作な点。
ホント寡作マジ寡作でもマジ佳作。

最後にひとこと。

イーガン病面白かったんでこのレビュー読んだ人も読んでみてよ。
文体似せたいときに参考にできるよ!!

★★★ Excellent!!!

SF作家に憧れを持った者たちが、自分の言葉を中二病のようにこじらせ、読者を高度に発達したSFワード世界に引き込んでいく。
もしかすると自分はこの作品に登場する人物たちの会話内容を一割も理解していないかもしれない。ミニガンのように発射される言葉の弾丸を一つ一つ拾い上げて、該当する意味を見つけていくのは難しい。
それだけ、この作品は圧倒的な連射力と威力を誇る。

★★★ Excellent!!!

 浅学菲才が衝動的にレビューを書きます。

 登場人物が皆、何かしらの病気に罹っている。それは、とある文学作品の作者の名前を冠した病気で――

 前述のとおり、私はそれほど読書に造詣が無いので的外れな感想になってしまうかもしれませんが――何が書いてあるかさっぱり分からないのに、面白いのです。ニュアンスのオーラが、ひしひしと肌に伝わってくる。それだけで虜になってしまう。

 もし知識のある人が読めば、クスッと笑ってしまうようなシュールさ。そして、分からない人には怪文にしか見えない狂気。この二つが奇跡的な合成を果たし、一つの作品になっています。小説としては異形ですが、エンターテイメントとしては間違いなく傑作です。
 こんな言葉の暴力で殴りかかってくる小説みたことない……

 僕はこの小説を、間違いなく面白いと断言できますが――果たして今からこれを読む皆さんは、どんな感想を抱かれるでしょうか?

★★★ Excellent!!!

テッド・チャンについて考えることは 、なんの罪もないのに新作が読めない人々の問題について考えることである 。
ファンたちに宗教的観点から無数の助言がなされてきたが 、ただのひとつの回答も 、万人を満足させることができないのは明白に思える ─ ─
ひとりの寡作な作家のファンを慰めることは 、いやおうなく 、だれかほかの寡作な作家のファンを不埒な者として糺弾するのだ 。テッド・チャンを例にとるとよい 。

★★★ Excellent!!!

出落ちした。
自分だけかもしれないけど、生物学的兄が血統的兄であってほしい、という言葉がツボったからだ。
理数的SF作品がわからない人でもこれはかなり楽しめる。
何故なら喋っている本人たちが理数的SFに慣れていない。イーガン病の前に語彙力のなさが問題かもしれない。

何が言いたいかって?

とにかく面白いから読んだ方がいいよってこと。

★★★ Excellent!!!

サイエンス・フィクションと名を打つわりに宗教観や哲学が語られやすいSFは読者によってアプローチが違うもので、文体から入る私のような文系SF読者にとってはかなりツボに入る内容。メタ的な会話や地の文がこれまたSFらしく、特にテキストについてのモノローグは円城塔患者としては楽しまざるを得なかった。

★★ Very Good!!

イーガンを読んだことがないのですが、読みたくなりました。
また、文系SF者のあるあるに笑ってしまうと同時に、勇気づけられました。
それにいくら文体を模したからといって、所詮小説は作者の頭を超える物は書けないのです。とまあ、コメディの体裁で示唆に富んだ、小説を書いている者の心をそれとなく抉っていく作品です。ぐっときます。

Good!

ワンアイデアの掌編に、これでもかと反復される「イーガン」の文字。

全文わずか3千文字程度なのに、イーガンの文字はざっと数えたら19回も出ていた。きちんと数えれば、もっとあるかも知れない。

ていうかそんなもんを目視で数える僕も何なんだ。
ゴールデンウィーク初日の朝っぱらから何をやってるんだ僕は。

ちょっと思想をこじらせてしまった妹ちゃんが実に可愛いです。それに対する兄のリアクションも秀逸で、会話劇とはかくあるべし、というお手本にもなりました。
(期せずして僕も兄妹モノを書いていたので、本作はエポックメイキングでした)

後半は円城塔の文字がゲシュタルト崩壊するぞ!気を付けろ!!

★★★ Excellent!!!

タイトルであるイーガン病に口角が上がった。読書経験の中で強烈にインパクトのある文体は私たちの筆致に確かな足跡を残す。ただしSFであるし海外作品であるのだから、これは山岸真病と呼び習わすべきなのではないかとも考えさせられるけれど。私もかつてはニューロマンサーに脳髄を冒されてやたらとルビを振ってしまうギブソン病(あるいは黒丸尚病、ただ単にサイバーパンク病)に罹患した経験があって痛いほどよく判った。手離しに拍手。

★★ Very Good!!

これは面白いです。ぶはっ!と何度も吹きました。この作品を読んでて、新しい企画を思いつきました。

読んで面白かった作品リストとか、自分の場所(エッセイ)でまとめようと思います。文句なくこの作品はおすすめです。こんな妹がほし。。。いや、待て、


野次馬@面白いオチが思いつかないので、そのまま帰宅。

★★★ Excellent!!!

イーガンも、円城何某も存じ上げませんけど、楽しく拝読させて頂きました。
文系の理系へのコンプレックスって並大抵じゃないですからね。ちょっと数式出されたら、参っちゃう。来世は理系になりたいでふ。
それはさておき、模倣は悪ではないと私は思います。
全ての技術は模倣から始まりますからね。言語然り。
兄妹の真似をするうち、そのうちあなたもイーガンになれるかも。
私は円城何某より伊藤何某が好きなので慎んで真似をしたいと思います。

★★★ Excellent!!!

昔よくやったです、文体遊び。
菊○的・夢○的・田○的・栗○的・赤○的・池○的……
昔は「的」とか「似非」とかだったけど、○○病って、「病」付ければもっと言い表しやすいんですね。
そして、深い愛情が感じられます。
まあ、この兄妹とは症状がちょっと違いますがね(笑)

そして病の系統(?)が違いますが、
疑問に思ったら「ググれ」ってすぐ言っちゃう私はグーグル依存病。
この二人に言ってやりたい…!

★★★ Excellent!!!

まずタイトルの時点でやられてしまった。これを見て読まずにはいられなかった。グレッグ・イーガンの作品を本当に理解できる人間がいるのかは分からない(いたらぜひ教えを乞いたい)が、SFの読者は一度、あるいは今も継続的に掛かってしまう病気のようなものではないだろうか。正直彼の作品は毎度毎度よく分からない(褒め言葉として)のだが、作者もそれを承知で愛していると感じた。イーガンも書いてて分かってない説は漫画『バーナード嬢曰く。』でも取り上げられていたが、真相はともかく、SF好きならつい苦笑いしてしまうネタがふんだんに散りばめられている。後半の円城塔が出てくる部分ではテクスト論の派生――彼が芥川賞受賞作家でもあることを踏まえてのことだが――と、書こうとして何の迷いもなく『――』をいれようとしていた自分に驚いてしまった。気取ったレビューをしたかったわけではないのだが……。話を戻すと、彼が文芸に携わる人間としても一流であり、その辺がイーガンとの違いとして見えてくるのかもしれない。タイトル、登場人物、内容、後半の流れまで、丁寧に構築された、作者のSFに対する深い造詣が伝わってくる作品だった。

★★ Very Good!!

難解なSF好きがかかる病気の事らしい。
この物語を読み進めるにしたがい、その意味が少しずつ……分からなくなっていき、途中から何がイーガンで、何がイーガンではないのかさえ分からなくなってくる。
全てをSF的に疑い始めると発言は知的に見えるが、その実統合性を失ってしまうという典型であろうか。
メタ的な設定にまで言及するともう取り返しがつかない。

★★★ Excellent!!!

人間だけが小説を書く時代は、そのうち終わるのではないかとおもっている。
今ある小説を構成している各単語の出現回数をカウントし、文章を要素分解してその傾向を模倣するロジックを組んで再構成すれば、それなりのものがAIにも書けるんだろうなと思う。

きたるべき時代のきたるべき文学を予兆させる、素晴らしい作品。

★★★ Excellent!!!

「これ絶対一発ネタだよぉ〜」と思いつつ開いたら本当に一発ネタ、いやしかしまさかの一発ネタ畳み掛け系でした(※賞賛です)。

”僕達文系SF読者は、理系作者によるハードSFの数理的ギミックについていけず、それに憧れながらもなんとなく雰囲気で楽しむしかない。”
この一文で思わず吹き出してしまいました。わかります、わかります……。


着想は「バーナード嬢曰く。」から……ですよね!