うまれそこない

作者 はとむぎ

45

18人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

母親に家庭内暴力を振るう引きこもりの男と、その左膝に現れた人面瘡のお話。
この死ぬほどドロドロした読後感。重いというか救いがないというか、とにかくポジティブな要素を徹底的に排した、この最初から最後までずっと後味が悪いところが最高です。
主人公の男からしてもう、まったく好感を持てる要素がない。ないのですけれど、でもそれにしたってストレートすぎる、あの人面瘡さんの罵倒マシンガンっぷり。お母さんはかわいそうなんですが、でもかわいそうなだけに余計に救いがない。
まさに〝嫌なもの〟のフルコースといった趣で、少しもほっと気持ちの安らぐところがない、それがこの作品の最大の特徴であり魅力だと思います。
特に好きなのは結末です。結局、なんだったのかわからない。わからないけれど、でも少なくとも「ただの妄想」なんかよりもよっぽどろくでもないもの、ということはわかる。〝正体がわからないからこその恐怖〟をきっちり残していく、素敵な幕切れだったと思います。

★★★ Excellent!!!

 突然、主人公の身体に現れた、真っ赤な口。彼の双子だと言って、罵倒する。それが煩わしくて消そうとするけど……。
 私は、もしかしたら、突然現れた赤い口は、彼の妄想或いは幻覚なのでは? と、思って読み進めていました。自責している姿なのでは、と。
 ですが、最後の最後で、果たしてそうなのだろうかと、疑問を抱きました。本当に、ただの妄想や幻覚なのだろうか──。
 とても面白く、最後まで一気に読んでしまいました。
 

★★★ Excellent!!!

自分の悪口はなんであれ、聞きたくないですよね。
ましてや自分の身体から罵倒されるようになってしまったら頭がおかしくなってしまいそうです。

このお話は膝に生えた女性の口から人生について滅茶苦茶ダメ出しされるお話です(独自解釈)。膝から口が生えるアイデアがすごく好きだなと思いました。

この口には実は秘密があるのですが、口の口車に乗せられて口に出すのも憚られる結末を迎えます。怖い。
作品についているタグからして不穏な感じがばりばりですが、このお話があなたの口にも合えばいいなと思います。