概要
月と宮廷、運命に抗う二人の姫の物語
帝はすっかりかぐや姫の虜となり、宮中は混乱と波乱で渦巻いていた。帝のあまりの変わり様に、しびれを切らした皇后の父、左大臣はとんでもない文を寄越す。皇后"桔梗"は、父の命令を回避するため大胆な行動に出る。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!竹取物語 そのもう一つの『月』の物語 是非読んで欲しいです
物語のベースは竹取物語
ですがこのお話の舞台はかぐや姫に魅いられた帝が座す宮中
そして主役は皇后『桔梗』
月の使者を遠ざけんと私情から近衛府を動かさんとする帝により渾沌とする宮中にて
皇后を始めとした内裏に関わる女性たちが、それぞれの想い思惑を胸に動き始めます
どの人物も良いも悪いも非常に人間味があり、とても楽しんで読めます
イチオシはやはり主役の桔梗
境遇からくる諦観を抱えつつも、自立した一人の女性として混乱の最中にある宮中をも超えて戦う様は、ほれぼれとしてしまいます
宮中物として一風変わった作風でありながら、非常にしっかりと作り込まれており、アイデア頼りにもなっていない
繊細で歯切…続きを読む - ★★★ Excellent!!!竹取物語、もうひとつの素顔
『竹取物語』由来の幻想的な要素を巧みに取り入れた歴史ファンタジー。月から来たかぐや姫と、彼女に心を奪われた帝の関係を軸に、竹取物語では描かれなかった人々の視点から紡がれる新たなドラマ。美しいかぐや姫の存在が宮廷内に波紋を広げる中で、皇后、中宮、梨壺という三人の女性が物語を動かしていきます。
本作には平安時代特有の宮廷文化や価値観が色濃く反映されており、和歌や香りを通じたコミュニケーションや貴族社会ならではの礼儀作法が細かく描写されています。また宮中の人間関係や権力闘争がリアルに描かれているため、当時の宮廷生活に触れるような感覚を味わえます。
またこの物語には複数の恋愛が絡み合います。異…続きを読む