おとぎ話は、ディテールがはっきりしていない分、想像を膨らませる余地があります。このお話は、そのおとぎ話のメインシーケンスではない部分のディテールを描いたものです。というか、傾城に翻弄される男の不甲斐なさって、こう見えちゃいますよね。男目線で読んでてゾクゾクしますし、三人の后目線ではドキドキします。結末はどうなるのか、目が離せない! オススメです。
昔話 かぐや姫における帝の凶行を、彼の愛が届かない姫たちの目線で綴った歴史小説です。とある者は大金でニセモノを掴まされ、とある者は大嵐で命を失いかけた。ここまであれば色に目が眩んだ者達の笑い話で済みますが、かの物語の終盤で魅入られたのは日本の象徴。数多の姫を知り、数多の欲を鎮められる立場の人間が簡単に落ちた。おとぎ話であれば美談。しかし、現実に当てはめれば不気味の一言。かぐや姫はかくも美しい姫なのか。そもそも、彼女は存在するのか。超常現象とは全く無縁の視点から語られるサイドストーリー。ぜひ読んでみてください。
私などがレビューするのも恐れ多いくらいに良く出来た作品だと思いましたとにかく先が気になりすぎて、読み進めずにはいられませんでした主役となる女性たちそれぞれに魅力があり、何やらミステリーの香りもします平安文学がお好きな方には絶対にお勧めしたいです!
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