そして、春がくる

家から逃げ出す金を工面するため、バイトに明け暮れていた高校生の春日京介は、ある日、強引なナンパを目撃する。
そこで知り合ったのは、凶暴で乱暴でついでにすこぶる口も悪い、不可解な少年、一ノ瀬珪だった。
不本意ながらも共に過ごすうち、春日は少しずつ、珪の秘密と痛みを知っていく。

春日がこの街で暮らす、最後の１年。
別れのタイムリミットが近づく中、傷つきながら共に歩いた、ふたりの高校生の話。