第43話
時は20XX年。巷では、とある噂が流布していた。それは主に若者の間で流行っていて、その話題は日に日に増大する一方であった。―――噂というものは、人から人へと伝わるもの。それ故、いつしかその噂には数々の尾ひれがついていった。
―――「"謎の預言者"が世界の破滅を唱えた」、「近い将来、国を巻き込んだ戦争が始まる」、「それを救う"救世主"が現れた」...数多の情報が、人々を取り囲んでいた。
その中でも、めっぽう強く若者が口にするは「"噂の人物"が実在し、それも多くの目撃証言がある」だ。神出鬼没、変幻自在。一見すると普通の人間だが、ひとたび話しかけると、どんな谷底にいる人間でも"己の欲望の叶えてくれる"らしい、と。
どうせただの噂だろう。ネットでも、そう思っている人間が大半だった。―――しかし、人間というものは欲が強く、"噂の人物"を探し始める人間が現れた。かたや面白半分に、かたや真剣にといって具合に。
いつ、どこでこの噂が流れたかは誰も知らない。だが、人々は躍起になってそれに手を伸ばす。
...そして、その流行りの波は、彼らのもとにも届いていた―――
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