クリスマスアドベント〜奇病少女と死にたがり少年〜

人間と関わることなく生きて、自分が自分を嫌いなことに気づいてから、いつしか死ぬ事ばかりを考えを始めた少年、天野奏。

それでも、勇気がない少年は死を先延ばしにしてきた。桜が見たい。花火が見たい。紅葉が見たい。雪が見たい。そんな言い訳で。

そんな日々をしばらく続けて、いざ身投げをしようとした瞬間に、彼は出会いを果たす。

一日の半分しか起きていられない奇病で寿命が一年と定められた少女、佐藤湖凪。

死の淵でそんな彼女と出会い、交わした取引。それは、死を一年伸ばし彼女と共に過ごす変わりに、彼女が自分を殺すというもの。

そんなふざけた約束になぜか頷いてしまった自分。その理由がわからずに、奏はそれを自分の心に問いかけながら、湖凪と過ごしていく。

一ヶ月に一時間起きていられる時間が減っていく湖凪…続きを読む