概要
合法的に人を殺す者、弔葬師《ちょうそうし》――。
想像より生まれ出る脅威、傀異《カイイ》――――――。
多様な情報が錯綜する現代日本。
喜び、悲しみ、怒り―――情報社会で人々の想像は多様化し、世間ではありとあらゆる感情が渦巻いている。
人間の想像は、不可視のエネルギー体、傀朧《カイロウ》を生みだす。傀朧は収束して形を成し、傀異となって密かに人々の生活を脅かしていた。
傀異を人知れず祓うのは、傀朧を知覚し、操ることのできる想術師《そうじゅつし》という存在だった。
想術師は長い歴史の中で組織を成し、影から人類を守ってきた。
想術師協会総務局で事務職として勤務する杜若愛生《かきつばたあおい》は、生まれつき傀朧を知覚することができた。しかし、周囲からは受け入れられず、次第に自分の状況を異常視するようになる。そんな時、想術師協会から想術師にス
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