概要
棄てる棄てる棄てる、そこに一匹の魔物がいることを知らずに
入ったら最後、決して出ることができないダンジョン。廃棄ダンジョンと呼ばれるそこでは全てが分解させる。武器も魔法も人間も魔物でさえも。ダンジョンとしての機能を果たさないそこには、しかし一匹のスライムがいた。
異常な回復力を持つそのスライムはダンジョンに流れ着いた者を殺し続けた。分解に怯え、諦め、死を願う彼らが苦しまないように、安らかな終わりを願って。そして彼らが残したドロップアイテム(遺品)だけは分解されないように自身に取り込み大切に守り続けた。
やがて独りぼっちの魔物はローズという名の少女と出会う。最強の魔王を名乗る彼女は全てを賭けてスライムを廃棄ダンジョンから解放する。代償に彼女の心臓はダンジョンと繋がっていた数多の世界へと散らばってしまう。
解放されたスライムはひとカケラの
異常な回復力を持つそのスライムはダンジョンに流れ着いた者を殺し続けた。分解に怯え、諦め、死を願う彼らが苦しまないように、安らかな終わりを願って。そして彼らが残したドロップアイテム(遺品)だけは分解されないように自身に取り込み大切に守り続けた。
やがて独りぼっちの魔物はローズという名の少女と出会う。最強の魔王を名乗る彼女は全てを賭けてスライムを廃棄ダンジョンから解放する。代償に彼女の心臓はダンジョンと繋がっていた数多の世界へと散らばってしまう。
解放されたスライムはひとカケラの
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!名も無き魔物が願う、優しく無垢なる世界
入ったものは誰も、何も残らないダンジョンに棲む一匹のスライム。犠牲者が残した遺品を自身の中に取り込み続けた彼はやがて解放の日を迎える。やがて明らかになるダンジョンの秘密と遺品に込められた願い―
このスライムはやがて名前と人の姿を得るのですが、私が特に惹かれたのはその優しさと無邪気さです。ダンジョンの中で犠牲者を殺し続けたのは彼らの思いを届けるため。人の姿となってからもその無邪気さで周りを振り回しつつも笑顔にしていきます。そんな彼(彼女?)が願うのは、誰も傷つかない優しい世界。
名も無き魔物が思い描いた世界、どうかご一読ください。