誰かと過ごした一瞬。霞のように消えてしまうものもあれば雑多な記憶の中で眠り続けるものもある。そして、心の中で生き続け燻り続けるものもある。このお話の主人公にとって中学時代の初カノである岩永さんとの淡い想い出は、ふとした時にちりちりと赤く明滅する煙草の火のような存在でした。このまま消えてしまうのか。それとも残り続けるのか。皆さまの目で確かめてみてください。秋の空気にぴったりの、胸の奥がぎゅっと引き絞られるような切な良いお話です。
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