第22話. 異世界の少年、地球でお泊まり会に参加する。⑥
◇ ◇ ◇
「お待たせ」
私がひと足さきに脱衣所で服を脱いでお風呂に入る準備を整えていると、ことりが着替えを持って脱衣所にやってきた。
既に下着状態になっていた私を見たことりは、私の体を下から上まで眺める。
「うわー、さきりん、肌ツルツルー」
ことりが私の体に感想を述べると、後ろから抱きついて私の体に触れてきた。
「ちょっ……」
私は少し変な声を出してしまう。
「ちょっ……ことり……や……め……」
ことりは私の体の肌で堪能している様子で、片手で私の背中を撫で下ろしたりしながら、もう片方の手で腕や首筋を触れてくる。
私は今にも顔から火が出そうな状態だった。
「この体つき。美咲ってやっぱスタイル良いよね。羨ましいなー」
さっきまで私の背中などを触っていたことりは、次に背中を優しく撫で下ろしながら腰回りへと手を移動させる。
「ひゃっ……」
ことりの手の動きにくすぐったさを覚え、私はまた変な声を出してしまう。私の声を聞いても、ことりは私の腰回りを優しくつねったりしている。
何度か私の腰回りを触ると、ことりは一度腰回りから手を退かす。
私は「終わったのか」と思い、一瞬安心するが、まだ終わっていなかった……
「きゃっ!ちょっ……どこ……触ってん……のよ……」
ことりに後ろから両手で触られた瞬間、自分でも今まで出したことのない変な声が私の口から出てしまった。
「美咲の胸って形良いよねー。触り心地も良いし」
「ことり……や……め……」
ことりは触り心地を感じながら両手で揉み続ける。
そして、私もそろそろ限界だった。
「ことり、やめてって」
私はことりの手首を掴み、今触れられているものからことりの手を退かす。
そして、私は後ろを振り向き、ことりの頭を軽くポンと叩く。
「いたっ」
「ことりが悪いんでしょ」
「だって、さきりんって肌ツルツルだし、スタイルも良いからつい触りたくなっちゃった。ごめんね。だから許して?」
ことりは私の許しを求めるように可愛い声で言葉を発する。
はあー
「もうしょうがないなー。許してあげるから早く服脱ぎな。私先入ってるから」
私は一度溜息を吐いて、笑みを浮かべてことりを許す。
私も下着も脱ぎ終えると、浴室に足を踏み入れた。
私とことりは体を洗い終え、熱いお湯に浸かっていた。
「そういえば、さきりんってシンくんのことどう思ってるの?」
私が湯船の中から暖かいお湯を掬い上げていると、ことりから唐突な質問が飛んでくる。
「ただの仲良い親戚だよ」
私は平然とした表情でことりの質問に答える。
「それだけ?「好き」とかじゃないの?」
「うん」
私は即答する。
すると、ことりは「ふーん」と言って、それ以上聞くことなく質問を終わらせる。
「じゃあさ、ことりって好きな人いるの?私「好き」とかという気持ち分からないけど……」
私はことりに質問を投げかける。
「べ……別に悠斗のことは好きとかなんでもないし。ただの幼なじみだし––––––––––」
ことりは思ってもいなかった返事を少し早口で話す。
ことりの返事を聞き終え、私は少し不思議そうな表情でことりに伝える。
「私、ことりに「山本くんのことが好きなの?」とは聞いてないけど……」
私の言葉を聞いて、ことりは何かに気づいたらしく「はっ」と声を出す。
すると、ことりはいきなりその場で立ち上がり、湯船から出る。
「さきりん、私、先に上がるね」
「う……うん」
私がことりの耳たぶを見ると、仄かに赤くなっているのが見受けられる。その赤みかかった耳たぶはお湯の熱さからくるものではなく、多分羞恥心なのであろうと私は心の中で考えた。
◇ ◇ ◇
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