第20話. 異世界の少年、地球でお泊まり会に参加する。④
「風呂空いたぞー」
悠斗がそう言いながら浩介と一緒に部屋着姿でリビングに戻ってきた。
対して、俺、美咲、ことりは片付けを終え、リビングにあるテレビを見ていた。
俺がこっちの世界に来て、テレビというのを見たのはつい
まあ、報道されている問題を全く理解できなかったが。
「美咲、牛乳貰っても良いか?」
「うん、良いよ。冷蔵庫にあるから勝手に取って飲んで良いよ」
美咲の了承を得た浩介は、キッチンにある冷蔵庫の方へと向かう。
冷蔵庫から取り出し、コップに牛乳を注ぐと、浩介はゴクリと一気に飲み干す。
「浩介ってほんと牛乳好きだよな。浩介が牛乳を飲んでない日なんて見たことない」
「まあ、毎日朝、昼、夜に必ず飲むしな。筋肉のためでもあるし、牛乳は体に良いからな」
「ただの筋肉バカかよ」
悠斗は浩介の答えに一笑する。笑っていたのは悠斗だけではなく、美咲とことりもクスッと笑っている。
美咲は笑いの表情を抑え、悠斗と幸助に尋ねる。
「そういえば、山本くんと桐嶋くん、湯加減どうだった?少し熱かったかな?」
美咲はテレビから悠斗と浩介の方に視線を移す。
「丁度良かったぜ」
「ああ、丁度良かった」
二人の言葉を聞いた美咲は「なら良かった」と言って、隣に座ってる俺とことりに視線を向ける。
「それじゃあ、シンくんかことりのどっちか、次入ってきて良いよ」
「シンくん、先良いよ。私さきりんと入るから」
「え、私聞いてないよ?」
美咲は何も聞かされていなかったようだった。
「え?私と一緒に入るの嫌だ?」
ことりの瞳は少しばかりか水っぽい目になる。
「あ、いや、そんなことないよ。じゃあ……一緒に入ろっか」
「うん」
美咲の言葉を聞いて、ことりの涙ぐんだ瞳は喜びの瞳へと変わる。
「ってことで、シンくん先に入ってきて良いよ」
「私、さきりんと一緒にテレビ見てるから」
「わ、分かった。じゃあ、先入ってくるよ」
俺は美咲とことりの二人のやりとりを見て、ここは言われた通りに先に入った方が良いと思い了解する。
俺は一度部屋に戻って部屋着を取ってから脱衣所へと向かう。
俺の部屋は
俺は脱衣所で服を脱ぐと、お風呂場に足を踏み入れる。
まず、俺はシャワーで体をしっかりと洗う。体を洗い終えると、俺は湯気が立っているお湯に体を沈ませる。
「ふー。気持ちいい」
悠斗たちが言っていた通り湯加減は丁度良く、体の中から疲れが抜けていく。
「それにしても、悠斗くんと浩介くん、二人とも結構特徴的だな。悠斗くんは常に元気でバカっぽいところがあったし、浩介くんは口調が少し鋭いところがあるからクールでかっこいいしな。俺、二人ともっと仲良くできるかな?」
「いや、なってやる!」
俺は今回のお泊まり会での目標を自分の中で決めた。
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