第18話. 異世界の少年、地球でお泊まり会に参加する。②
「じゃあ、俺からやるぞ」
最初に名乗り出たのは黒髪の少年だった。
「俺は、
悠斗は自分を親指で差しながら自己紹介をする。
「じゃあ、次は俺か。俺の名前は、
次にクールな雰囲気で自己紹介をしたのは茶髪のストレートヘアをした浩介だった。
悠斗と浩介が自己紹介を終えると、今度は自分の番だと思い、俺はその場で一度席を立つ。
「最後は俺かな。初めまして。俺の名前は、シン=ブラッドフィスト。美咲の親戚で、暫くの間美咲と一緒に暮らす予定。みんな、よろしく」
俺は軽く美咲たちに向かって一礼する。
「シンか。良い名前だ。気に入った。シン、よろしくな」
「……う、うん。よろしく」
すると、俺の右隣に座っていた悠斗が立ち上がり、俺の肩に腕を回してくる。
「ちょっと、悠斗少し馴れ馴れしんじゃない?」
美咲の左隣に座っていたことりがその場で悠斗に優しい口調で言う。
ことり、ありがとう。
俺は内心でことりにお礼を言う。
俺自身フレンドリーに接してくれるのは嫌いではない。しかし、いきなりグッと距離を詰められて接しられても困ってしまう。
「悠斗、一旦座れ。美咲が折角作ってくれたんだ、冷めないうちに食べようではないか」
ことりに続いて浩介はことりとは違う少し冷淡な口調で悠斗に言う。
「そ、そうだな。腹減ったし、食べようか」
浩介の言葉を聞いた悠斗は俺の肩から腕を離し、再度席に座る。
「「いただきまーす」」
みんなで声を揃えて食べ物に感謝をする。
ダイニングテーブルには香ばしい香りが広がる絶品のチキンや、赤と白で色とりどりな料理、色とりどりの新鮮な野菜や葉物が組み合わさったサラダ、黄金色のご飯に肉や野菜、シーフーとが載った料理、そしてコーンスープが並べられている。
どの料理も美味しさが香りとなって立ち込み、俺の食事への期待感が最高潮に達する。
「みんな、沢山作ったから食べてね」
「さきりんの料理は本当に美味しいからね」
ことりの発言に俺も内心で大いに同意する。
まあ、美咲の料理を食べた期間もまだ二週間ぐらいだけど。
「うまっ!」
俺が目の前にあるコーンスープをスプーンで掬おうとしたところ、右隣から悠斗の声が聞こえてきた。
悠斗は、テーブル中央にあるゴールデンブラウンの色合いをしたチキンを口にして、率直な感想を口にしていた。
「ありがとう。そのチキン私が味付けしたんだけど、辛くなかった?」
「ああ。丁度良い辛さだよ」
悠斗の感想を聞いた美咲は、少し嬉しそうな表情を浮かべる。
「このパエリアも美味しい」
今度はことりが感想を口にする。
「ありがと。初めて作ってみたから自信は無かったんだけど、美味しいなら良かった」
「え?これ初めて作ったの?この美味しさ、初めて作った人の味じゃないよ」
ことりは美咲の発言に驚きの表情を浮かべる。
「さきりん、今度私にもこのパエリアの作り方教えて」
「良いよ」
「やったー!」
美咲は更なる喜びを瞼に浮かべ、ことりは隣で喜びの声をあげる。
「美咲、このミックスサラダも美咲が味付けしたのか?」
浩介は相変わらずクールな口調で美咲に尋ねる。
「そうだけど……口に合わなかったかな?」
美咲は少し不安そうな表情を浮かべる。
「あ、いや、違う。今まで食べたことのないミックスサラダで、とても美味しいと思ってな」
浩介はすぐさま美咲の言葉を否定して、感想を伝える。
「それなら良かった。実は今回、オリーブオイルで味付けしてみたんだよね」
浩介の言葉を聞いて、一瞬しょんぼりした美咲の表情が花が再び開花する感じに喜びの表情に変わる。
「シンくんはどう?」
俺も料理の感想を伝えようとしたところ、美咲の方から先に尋ねてきた。
「めっちゃ美味しいよ。今日初めて食べたけど、今食べてるトマトとチーズの料理とか、口に運ぶとトマトの甘みとチーズのクリーミーな味わいが広がって美味しい」
俺が今食べている料理名は分からないが、トマトとチーズの料理を指差しながら、率直な感想を伝える。
「ありがと。その料理、カプレーゼって言うんだけど、美味しいなら良かった」
美咲は俺の感想を聞いてさらに上機嫌になる。
「なんか、シンくん、料理の感想伝えるの上手くない?」
美咲に感想を伝えると、俺は右斜め前に座ってることりから称賛を受ける。
「そうかな?あ……ありがと」
俺は少し照れた顔を伏せながら礼を伝える。
そうして、俺はみんなと一緒に楽しく会話を交わしながら、美咲が作った料理を食べ進める。
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