3月第4週 準備を着々と進める
『オルトレメ ロザート
2021
テヌーテ ルビーノ』
イタリア・プーリア州サレント、安ワイン産地のイメージから脱却するべく高品質化と啓蒙活動も意欲的に行っている生産者たちの代表的ワイナリーらしい。
これがプーリアのワインだ! と呼べるようなアイデンティティが必要だということだ。
今回のワインは、プーリアの希少な土着品種ススマニエッロから造られたロゼワインである。
では、開けてみよう。
見目麗しい透き通るような赤の強めなピンク、爽やかなラズベリーなどのベリー系で強すぎない繊細さであるがアロマティックで心地よい。
味わいはザクロのような果実の仄かな甘味とフレッシュな酸味が優しい余韻を残してくれる。
これは純粋に良いワインだと言える。
『アスパラベーコン巻きとマッシュポテト』
気分だけでも春らしいものを食べたくなった。
フランスでは春を告げる野菜アスパラにしてみよう。
厳密に言えば、日本で良く食べられるグリーンアスパラではないが細かいことは気にしなくても良いだろう。
作り方は実に簡単、アスパラを程よい長さ、大体三等分に切り分けて薄切りベーコンで巻く。
それからオリーブオイルで温めたフライパンで焼き、醤油とみりんで煮絡ませてやれば十分に美味しいアテとなる。
しかし、それだけでは皿の上が寂しいので粗めのマッシュポテトも付け合わせる。
が、いつものごとく大量になってしまいどちらがメインか分からない状態だが気にしない。
実食。
実際のところ、それほど特筆することもないほどありふれていて素朴な味わいだ。
醤油とみりんがあれば大概和食っぽくなるし、アスパラの青さも分かりやすい味だ。
だが、醤油とみりんの染み込んだベーコンの脂は、マッシュポテトと美味く絡み合い情欲が沸き立つようだ。
そして、ワインと合わせる。
僕が常々思うことがある。
和洋折衷なんでもゴチャゴチャした日本の食卓に最も合うワインは、ロゼだと思う。
ロゼワインは様々な料理に合わせやすく、親しみやすい味わいであるからだ。
その分突出した個性は少ないが、それ故に日常に溶け込みやすい。
気が付けば当然のようにいる気の置ける友や家族のような存在だろう。
寒の戻りが激しく白い粉が空を舞い散るこの頃、しかし、着実に春のような陽気の日もある。
やはり人間という生き物はぬくもりを感じるようになると気分も明るくなってくるようだ。
春のように明るいロゼ、春を感じる料理、今回は気分だけでも軽やかに食事を楽しもう。
☆☆☆
さて、前回は皮を剥いてスッキリとなった。
そうなれば次の段階へと作業は進んでいく。
剪定で切った後に残した枝をブドウ棚に留めていく作業、結果母枝の誘引である。
作業自体それほど難しくはない。
前年に出てきた枝にある芽が今年の新しい枝となるので、ブドウ棚全体に比較的バランス良く枝を配置してあげるだけだ。
この段階ではそれほど几帳面にピッチリとやる必要はない。
新しく出てきた芽が枝となる時に、また配置調整するからだ。
それに、きっちりやりすぎると時間だけはかかり、他の仕事に差し障る。
そんなわけでサクサクとやっていく。
初めは昨年の余り物である、手で巻いて貼り付ける紙テープ、これが手間で時間がかかる。
昨年も同じ作業をしたのだが、帳簿の経費の関係上、その当時は開業前であったので道具を買うと帳簿計算がややかしくなるわけで、この安物を使って地道に作業をした。
材料費は格段に安いが作業時間だけはかかる。
しかし、昨年の余り物なのですぐに無くなり作業は次のレベルに進化する。
マックスというホッチキスで有名なメーカーが販売しているテープナーの出番となる。
スピードが格段に早くなり、手巻きの倍以上のペースで進む。
この時のテープナーで使ったテープは従来のポリエチレン製だ。
これも昨年の余り物で、今年からは新発売の紙テープを使おうと思う。
この紙のテープは雨や紫外線に当たっても保持力を維持するというように作られているらしい。
レビューによると破れやすいようで、実際のところどうなのだろうかと試しに自分で使ってみようと思った。
しかし、今回は昨年の余り物だけで終わってしまったので出番はなかった。
次回の新しい枝が伸びてきた頃にはお披露目になるだろう。
この紙テープは従来の製品に比べるとやや割高だが、畑に散乱したとしても土に還るので回収しなくても良く、試す価値はあると思う。
そんなわけで、こちらの畑は無事に芽吹きに向けての準備は整った。
これで、新しい畑の苗木植え付けの準備に集中できることだろう。
そして、嬉しいニュースである。
ついに酒販免許を取得することができた。
これで自分の造ったワインを販売できるようになったし、クラウドファンディングも始めることができる。
残念ながら、カクヨム上では営利目的の宣伝は規約違反というので、ここでは詳しい話はできないし、販売先も公表はできない。
もし気になるようであれば、自力で探してもらいたいと思う。
しかしながら、次の戦いの準備は着々と進んでいる。
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