1月第3週 これが楽しい
『マールボロ ソーヴィニヨン ブラン
2022
サザン クロス』
ニュージーランドを代表するワイナリーの一つ、モートン・エステートが手掛けるデイリーワイン・ブランドである。
NZワインの代表品種、マルボロ地方のソーヴィニヨン・ブランを開けよう。
グラスに注ぐとライムのような柑橘系とNZらしいパッションフルーツの香りがすぐに立ち上ってくる。
味わいも酸味の効いたフレッシュさとクリーンさだ。
まさに直球ど真ん中のど定番である。
『しめ鯖と野菜の付け合せ』
本来のど定番であれば、白身魚のカルパッチョが良いだろう。
しかし、ここでちょっと変化球を投げてみた。
和製カルパッチョ、しめ鯖を試してみよう。
今回も事務仕事ばかりであまり動いていないので、さっぱりしたものが食べたかったのだ。
さらに手抜きで、買ってきたものを盛り付け、ついでに野菜もオリーブも盛ってみよう。
このさっぱりした酸味が胃に優しくてスッキリと喉を通ってくれる。
でも、ちょっと物足りないからワサビ醤油で味付けをしてみよう。
では、ワインと合わせてみよう。
ワインの持つ柑橘系の酸味、これがまたしめ鯖をさらにさっぱりと食す手助けになる。
もちろん、鯖の生臭さを始めとする癖のある味を帳消しにすることなどはできない。
だが、この癖がしめ鯖の旨さだと思う。
ワサビ醤油に浸して食せば、より味わい深くなる。
あっさりとした野菜の味わい、オリーブもまた味の変化にちょうど良い。
身体を動かさないと心身、内臓までもが疲れてくる。
食事を楽しむためには、適度な運動は最高の調味料になるのだ。
やはり、健康的に生きるには運動が必要不可欠なのだと実感する。
☆☆☆
年明けから続いていた地獄の事務仕事も徐々に片付き始めてきた。
そうして出来上がった書類は電子送付、または郵送、持参して提出していく。
まだ全ての提出書類が揃わない酒販免許は一時保留だ。
市役所へ来年度・4月以降の補助事業の要望書の提出と打合せや相談に赴く。
どの業種であろうが、事業主は行政との連携を上手くやっていくことが長く生き延びる秘訣である。
自分の住んでいる地域でどのような政策が進められどのような事業に力を入れているのか、国であろうが地方であろうが政治に興味を持ち情報を仕入れるようにしておく。
それだけで生存の道が広がるし、生活に繋がってくる。
有権者が政治に無関心でいたり無知でいることが、私腹を肥やすばかりの政治屋や悪政となる増税などなど、政治腐敗の温床となり、回りに回って自分の首を締めていくのだ。
さて、僕の移住したこの町では全国的にも農政に力を入れている方だと思う。
やりたいことを相談してみれば、それに合わせた補助事業がどんなものなのかを教えてくれる。
ワイン事業についても可決されることはまずないが、気軽に話はできる。
そこから話が派生し、今年のワインの委託醸造先も紹介してもらった。
そのワイナリーも同じ市内で今年から創業予定となるが、まだ建物は完成前だ。
まだ決定ではないが、色々と横のつながりも大事であったりする。
建物が完成したらまた詳しい話をしましょうということになった。
ついでに、以前お世話になっていたワイナリーで委託醸造をと思ったが、自社ブドウだけでタンクが溢れるということでできなかった。
しかし、クラウドファンディング用に使おうと思っているワインを取り置いてもらっている。
かつて僕がコンセプトから考えて造ったワインであるが、年明け早々から発売となっており、危うく完売しそうになっていたからだ。
こうして徐々に今年の方向性が見え出してきた。
先行きが見えてくると気が楽になるし、考えるだけで楽しくなってくる。
何にせよ、何をやるにもまずは金が必要となる。
事務仕事も片付き出してきたことだし、そろそろ出稼ぎの準備でもしようか。
そして、久々の晴れ間である。
ブドウ棚の完成検査がようやく行われ、市と県の担当者の立会の元、無事に終わった。
これで昨年の最大の戦いだったブドウ棚造りは終了、次の戦いへと進んでいくわけだ。
寒波で一瞬だけ白き闇に覆われたが、気温が上がり大雨であっという間に雪は溶けてしまった。
春先が心配になるほどの暖冬であるが、今はやれることをやるしかない。
畑の土を移動させ、地道に整地していく。
次の戦い、苗木の植え付けの準備を少しずつ進めていく。
これは決して楽な仕事ではない。
しかし、これが楽しい。
青空のもと畑仕事をする。
こんな単純なことだけで、生きていることを実感できるのだ。
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