2月第4週 確定申告がやってきた
『ホットワイン』
寒い季節には心身共に暖まるモノが欲しくなる。
それならばと今回はいつもとは違ってホットワインにしてみようと思う。
使うワインは安価の方が良い。
なぜなら、温めてしまうことでワインの持つ風味や味わいが消し飛んでしまい、どんなワインでも同じ様になるからだ。
飲みきれなかったワインの飲み残しでも良いが、吐瀉物になっているほど劣化していたらやめた方が良い。
今回使うワインは、3L・1500円程のバッグ・イン・ボックス、スーパーの酒売り場でもお手軽に買える超格安箱ワインである。
そいつを耐熱グラス1杯分とスパイスや甘味、オレンジジュースと一緒に温めれば完成だ。
レシピは何でも良いが、全国規模の某ワインショップのレシピを紹介しておこう。
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/5176/
スパイスが効いて身体の芯からじんわりと暖まる。
甘味を足しているので、温度の上がりすぎて酸っぱくなりすぎたワインも優しく飲みやすい。
極寒となる冬のヨーロッパを生き抜いてきた知恵の飲み物である。
『ホットケーキ』
ホットケーキ、日本独特の呼び名だが実際には世界中でパンケーキと呼ばれる。
パンとはフライパンのことであるが、その名の通りフライパンでお手軽に焼くだけの簡単な粉もの料理である。
味付けも個人の自由、小麦粉、牛乳、卵さえあればベースはできる。
後は砂糖や果物などの甘味、他にもベーコンやチーズなどと合わせて主食としても良い。
今回はシンプルにバターとメープルシロップで甘味にしてみよう。
面倒くs……忙しいので時短でホットケーキミックスを買ってきて混ぜて焼いた。
さて、味は庶民であれば誰でも食べたことのあるような素朴な甘さ、特別美味しい訳では無いがどこかホッとする味わいだ。
ホットワインとともに味わえば凍える心身がほぐれていく。
ぬくもりを味わう。
それだけで人間が肉体的にも精神的にも健康的に生きていくために大事なことなのだろうと理解できる。
極端な寒の戻りというか冬の再到来、そんな日にこそ心の平穏を感じたいものだ。
☆☆☆
前回は酒販免許絡みのトラブル解決を自慢気に行ったが、今回も税務絡みの話がメインになる。
その話とは、みんな大嫌いな確定申告だ。
所得税の確定申告とは、1年間の所得から納めるべき所得税の金額を計算し、国(税務署)に申告する手続きのことである。
個人事業主は、毎年1月1日~12月31日の所得をとりまとめて所得税の額を計算し、原則として翌年の2月16日~3月15日までに税務署に申告・納税を行う。
その時期が今なのだ。
事業を行っていれば避けては通れない確定申告、無申告などしようものなら税務調査官という処刑執行人がやってきて、ぺんぺん草も生えない焼け野原にされる。
どんな無法の荒くれ者だろうとお上に従わなければならない悪夢の時期、それが確定申告だ。
書いてそのまま『年貢の納め時』なのである。
さて、僕の場合は農業所得と給与所得があり、それぞれ別々に計算して最終的に合わせて個人所得として申告を行う。
他にも、株式や不動産、競馬などのギャンブル、様々な個人収入も所得とみなされるが今回は省略しよう。
どうせ、無いし……
まず、農業には専用の青色申告決算書がある。
これにも他の事業所得と同じように、白色申告と青色申告の2種類がある。
白色申告は簡略的ですぐにできるが、青色申告は複式簿記など帳簿付けの義務があり手間がかかる。
しかし、白色申告は控除額が非常に少なく、特典はほぼ無いに等しい。
青色申告は手間はかかるが、控除額は最大65万円と多く、赤字も3年間繰り越せるなど特典は多くなる。
零細個人事業主にとっては非常に大きな節税効果があるのだ。
控除を最大限活用するには、国が認定している優良な電子帳簿保存に対応している簿記ソフトを使えば良いだけの話だ。
ちょいと割高だが、僕は農業簿記専用ソフトを採用している。
帳簿管理も簡単だし、簿記の知識もさほど必要ないので他の業務に力を注げるというものだ。
では、やってみよう!
サクサクと入力が進んでいく。
数十分後
「ぐぬぬぬ! なぜだ? なぜ、ここから先に進めない? ……ふぅ、落ち着け、オレ。落ち着くのだ。……おや? なんだろうか、コイツは?」
簿記ソフトと税務署のEtaxページの連動が上手くいかず、途中で脱線。
ちょうどカクヨムで猫の日イベントをやっているようだ。
「ほわぁ、胃を痛める暗黒物質が浄化されていく」
ようつべでネコ動画に癒やされる。
そして、確定申告着手初日は過ぎ去った。
その翌日、攻め方を変え、直接Etaxページで入力を始めた。
それが功を奏したのか、全集中で確定申告は完了できた。
始めから分かっていたが、何という所得の少なさなのだろうか。
収入は軽く日本人の平均年収は超えているが、経費も平均年収を軽く超えている。
そうして、合わせてみると所得は不思議なほど圧縮されてしまった。
ああ、ネコのように飼いならされたフリをして亭主関白になりたい。
しかし、悲観はしない。
控除に次ぐ控除で、来年度の税金は格段に安くなるだろうと期待している。
さて、この週は再び冬が戻ってきたようだ。
外の世界は薄っすらと白い闇に染まる。
それでも畑ではやるべき作業がいくらでもあるのだ。
春の芽吹きに向け、ブドウ畑に出る。
巻きヒゲと呼ばれる昨年の蔓の残渣がブドウ棚の上に大量に残っている。
コイツラに病原菌が潜んで越冬すると言われているので、こういう暇な時期に取っておく。
それだけで次の収穫に備えることになるのだ。
ネコのようにコタツで丸くなっていては、零細個人事業主は生きていけないのだ。
ヒモにならない限りは!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます