5月第3週 第2回芽かき大会

『カベルネ ソーヴィニヨン

 2015

 ファットリア ラ レッチャイア』


 お値打ちな極上ワインがモットーのレッチャイアが造るワインである。

 今回はトスカーナのカベルネ・ソーヴィニョン、低階級の最高品質ワイン、スーパータスカンに使われることの多い国際品種である。


 では、早速開けてみよう。


 熟成期間も7年と少し、やや色合いが茶けてはいるか。

 香りに木の香りと少しピーマン臭さはあったものの、熟したブドウを使ったからか甘い果実の風味も感じる。

 

 味わいは年月を経ているからか、渋みは落ち着いたまろやかな口当たりだ。

 イタリアらしい陽気さというよりもどこか落ち着いた雰囲気の重厚さを感じる。


 個人的には最高に美味い、とは言えないが値段と比べるとこれも良いワインだと思う。


『ラザニア』


 今回のワインと合わせてイタリアらしくラザニアにしてみようと思う。

 作り方はそれほど難しくはないが、麺のパスタに比べればややひと手間必要だ。


 今回はキッコーマンのレシピを採用した。

 https://www.kikkoman.co.jp/homecook/search/recipe/00003238/index.html


 ただ、ホワイトソースを作る時もミートソースを作る時も玉ねぎをみじん切りにしないといけないので目に優しくない。

 

 ホワイトソースをさっと作り、ミートソースもちゃっちゃと作る。 

 そして、茹で上がったラザニアと組み合わせ、三層で一組、これらを2セット重ねてオーブンで焼くだけだ。

 オーブンという上等な調理器具はないので、魚焼きグリルで代用して完成だ。


 味の方だが、流石はキッコーマン、醤油を隠し味にしているからかミートソースに深みがある気がする。

 ほんのり焦がしたチーズにラザニアを中心とした紅白のソースが上手く絡み合い、食を進めてくれる。

 気のせいかも知れないが、醤油をほんの少し入れるだけでも一味違う。


 ワインと合わせるが、この組み合わせは間違いなく合う。

 

 ラザニアの濃厚なミートソースとクリーミーなホワイトソース、脂が潤滑油のようにカベルネ・ソーヴィニョンの重厚さを和らげてくれるようだ。

 ラザニアの胃に来る重さとワインの重厚さ、それなのに合わさると優しい深みを感じさせてくれる。

 胃には優しくないだろうが、精神には癒やしを与えてくれる。

 これが食事を楽しむということだろう。


 肉体労働と趣味の運動、どちらも体を使うのに終わった後の清々しさが違うのはなぜだろうか?

 同じように農作業も自分の畑と他人の畑、同じ肉体疲労があるはずなのに終わった後の気分が違う。

 

 何事も気の持ちよう、人生ってやつは食事と同じように観点の違いだけで実に味わいが変わってきて面白い。


☆☆☆


 先週は虫について語ったが、今回はまたもや芽かきを行ったことを報告しよう。

 前回の芽かきは1回目であったのでざっくりとした感じでやっただけであったが、今回の2回目がメインとなるのでもう少し丁寧に、それでいて大胆に行う。


 時期としては、今年出てきた芽(新梢と呼ぶ)に葉が6から8枚ほどになってきた頃に行うのが基本となる。

 将来的に実になる花穂を持たない新梢や極端に小さかったり、逆に成長が早すぎる新梢を間引いていく。

 新梢の勢力をほぼ同等に揃えることを目的とするのだ。


 当然、全てが理想通りに勢力が均一になるとは限らない。

 同じ樹の中でも、場所によって伸び方が全く違うこともある。

 畑内の土壌の栄養状態が全て均質とは限らないし、生育を予測しての剪定の強弱が理想通りになるとは限らない。

 さらに、ほしい部分の新梢が虫食いで葉がズタボロになっていることもある。


 これがブドウの平棚栽培の難しいところである。


 この2回目の芽かきをどれくらい行うのかは品種によって異なるが、僕は新梢の数をここで半分弱ぐらいにしようと思う。

 新梢の勢力と混み合いすぎている箇所を取り除くと自然とそれぐらいになるからである。

 この畑は初めてなので、様子見という理由が最大ではあるが。


 ここからさらに新梢が成長してきた頃に、3回目で最終調整にしようと思う。


 さて、本日5月21日(日)は、この連載のカクヨムの更新予定日である。


 しかしながら、今朝の時点で実は、この2回目の芽かきが完了していないのだ!


 僕は自分の仕事以外にも生きるために出稼ぎをしなければならない。

 平日の大半は、この畑にいることが無いのだ。

 その理由として、初年度なので自分の畑からの収入がまだ無いからだ。


 そのため、土日祝日だろうが働かなければ生きていけない。

 出来る時にやるべき作業をしなければ、悲惨な結末が待ち構えている。

 農業というのは自然との戦い、カレンダー通りに物事が進むわけではない。


 現実はファンタジーとは違うのだ!


 『元気があれば何でも出来る』


 という名言がこの日本にはある。


 しかし、真実は


 『金があればもっと何でもできる!』


 では、今週の報告はこれぐらいにして畑に出ようと思う。


 P.S 無事に日が高いうちに芽かきは終了、今週の報告は以上であります!

   今日の一杯が五臓六腑に染み渡るぜい!

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