6月第3週 フロンティアスピリッツ2

『シャルドネ

 2020

 蔵王ウッディファーム』


 以前にも紹介した山形のドメーヌワイナリー、自社ぶどうのみで造られるワインは農業という基礎から成り立っている。

 今回は白ワインの王道品種シャルドネを紹介しよう。


 シャルドネは品種の個性はニュートラルに近く、どのような環境でブドウが育てられ、どのようにワインが造られたかによって、造り手の感性を反映させやすい品種でもある。


 では、早速開けてみよう。


 やや淡い黄色の色合い、始めに柑橘系の爽やかな香りを感じる。

 味わいは口当たりが優しいがやや炭酸ガスが舌にピリッと来る。

 続くパイナップルのような甘みとほんのりとした苦味とわずかな樽の風味で、雑味の少ない余韻で後味が良い。


 実に丁寧な仕事で造られたワインだと思う。 


『エビピラフ』


 忙しい中でも栄養をしっかりと取れて簡単に作れるエビピラフにしてみた。

 レシピは味の素の提供で。

 https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/707173/


 調理も簡単に、冷凍のむきエビ、ミックスベジタブル、彩りを良くするために米を炊く時にサフランを加えてみた。

 が、手元が狂ってドサッとサフランが入ってしまった。

 重労働による疲労のせいにしておこう。


 サフランは食べすぎると危険な副作用があるので、もったいないが入りすぎてしまった分はSAYONARA


 さて、出来上がったエビピラフからはバターの香りが漂い、食欲をそそるところだ。

 プリップリのエビ、ホカホカのご飯、彩り豊かな野菜たちが一度に味わえる、旨味以上の栄養補給となる。

 一口一口が日々の糧となり、明日の労働を支えてくれるのだ。


 そして、ワインと共に食事を楽しむ。


 雑味の少ないワインが食事を引き立ててくれる。

 シャルドネとバターの風味の相性が良いこともあるだろう。

 しかし、旨さもまた、食事を促進させる大事な要素なのだ。


 喰らう、そして呑む。


 ただ、これだけで良い。

 生物における原初である単純な欲求を満たすことが出来る。

 これが幸せな食というものなのだろうか。


 日々食いっぱぐれることなく、腹を満たすことが出来る。

 忙しい時には、よりシンプルに研ぎ澄まされていくものなのだろう。


☆☆☆


 前回は開拓を始めたことを報告した。

 今回はその続きとなる。


 しかし、こちらも梅雨入りし、週の初めからどんよりとした悪天候が続く。

 それでもまだまだ伐採する樹木が大量にある。

 天気予報と雨雲レーダーとにらめっこしながら雨の合間に畑へとくり出す。

 

 チェーンソーで大木を切り倒し、ある程度の大きさに刻んだら運び出す。

 細い木や枝は両手持ちの刈り込み鋏で切り、これまた運ぶ。

 ひたすらこの繰り返しだ。

 だが、これが実に重労働、傾斜のある山にあるので合計したら毎日ある程度の登山をしているようなものだ。


 僕の身体以上に道具たちを酷使していることも事実だ。

 チェーンソーの刃を2本と刈り込み鋏を1本、ダメにしてしまった。

 決して安くはないので、大打撃となった、懐が。

 

 さて、ちょっとぐらいの小雨なら、ずぶ濡れになろうが構わずに作業続行、なぜならすでに汗だくでずぶ濡れだからだ。

 大雨になったら休憩がてら車で待機、雨雲レーダーで雨の切れ間を予想し、出来るならそのまま待ち、無理ならば撤収して事務作業だ。

 

 時間は有限、一人でやるからには何でもこなせないといけない。

 誰かに何かをやらせるには、それだけの財力が必要となる。

 田舎暮らしの農業がスローライフと思うのは幻想ファンタジー、それか有り余る財力があるから趣味程度のレベルでやっていけるだけのことだ。


 こんな時でもブドウの木の成長は止まらない。

 雨が降り続き、枝はまだまだ伸びる。

 しかし、開花中のこの時期の雨はブドウにとって、病気が潜在的に発生している。

 恵みの雨にも、限度があるのだ。


 そうして、前回の農薬散布から7日後、再び農薬散布を行った。

 久々の晴れ間であり、近隣の農家さんはみんな忙しそうに農薬を撒き散らしていた。

 

 そして、本日6月18日(日)昼、実はまだ伐採は完了していない。

 残り10本程ではあるが、どれもそれなりの大きさの木ばかりである。

 今現在、昼休憩とバッテリーの充電を行いながら、このエッセイを書いている。


 本日中に伐採が完了できるかどうかは、近況ノートで報告するとしよう。

 では、今から開拓の続きへと戻る。

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