4月第5週 モアちゃんが草刈りだぞ
『ソーヴィニヨン ブラン フリウリ
2021
レ モンデ』
イタリア、フリウリ ヴェネツィア ジューリア州にあるワイナリーである。
イタリアのワイン専門評価誌「ガンベロロッソ」で高く評されている。
ちなみに、水の都ヴェネツィア市は隣りの州にある。
海と山、2つの川の大自然に囲まれた独特な土地でブドウが育てられ、最新の設備で高品質なワインが造られる。
今回はこちらの白ワイン、ソーヴィニヨン・ブランを試してみよう。
ソーヴィニヨン・ブランは、アロマティックで香り高く酸味の効いた軽やかな味わいに造られることが多い。
だが、このワインは黄色みの強い色合いから違ったタイプだと予想される。
香りからは立ち上る軽やかさはなく、白桃のように熟した果実のような重みを感じられる。
味わいも同様に桃のような感じだがフレッシュな酸味があり、種の周辺のような少しの苦味がアクセントになっている。
良い意味で、一般的なソーヴィニヨン・ブランのイメージとは異なる個性を表している。
『スパゲッティ・アッラ・ブーザラ風、有頭エビのトマトパスタ』
本来なら手長エビが使われるが、今回は南蛮えびで代用した。
まずは生のエビの頭を取って、殻を剥いて背ワタ取り。
こいつは手間がかかるが、やらないと生臭い雑味が出てしまう。
次に、玉ねぎ、ニンニクを刻んでオリーブオイルで順番に炒め、エビの頭と身も塩コショウで炒める。
白ワインを加えてアルコールを飛ばし、トマト缶、砂糖を少々加えて程よいとろみが付くまで煮込み、塩コショウでまた味を整える。
そうして茹で上がったパスタを加え、イタリアンパセリで飾って完成だ。
お味の方は、エビの頭のミソが良い出汁となり、トマトソースに旨味が溶け出している。
余計な味を加えなくとも、塩コショウと素材の味だけで充分に堪能できる。
パスタは手早く作れて美味しいので、海外にいる時は安価なこともあり重宝したものだ。
このワインと料理を合わせてみると、実によく合うのだ。
ワインの持つ僅かな熟した果実味がトマトソースの味わいへの深みを増す。
エビの持つ海の味わいを、ワインの酸味が綺麗に余韻を洗い流すのだ。
それぞれの持つ個性がお互いを引き立て合う。
楽しい食事を満喫することができた。
2人前のレシピだったが、ぺろりと平らげることができたのだった。
食事が美味くできると気分が良いものだ。
☆☆☆
先週では農薬についてと萌芽が始まったことを報告した。
今回も報告しておくことが色々とある。
以前JAに依頼していた土壌診断の結果が出た。
新しく植える畑の方だが、予想通り栄養欠乏状態だった。
その中でも三大要素の窒素とリン酸が圧倒的に少なく、なぜかカリウムだけは過剰というアンバランスさである。
このまま植えたところで、ブドウはうまく育たないだろう。
他にも、酸性・アルカリ性を表すPHが低く、酸性が強すぎるのでブドウを植えるにはここから1以上上げないとならない。
このままだと蕎麦がギリギリ育つ土壌かな。
だが、悲観することは何もない。
結果が分かったので対策のしようがあるのだ。
その方法は工事ができるようになってから披露する、かもしれない。
すでに植わっている畑の方だが、こちらは場所によって少々栄養過剰状態、少々栄養不足であった。
平均的にはまずまずといったところかな。
こちらは収穫が終わるまでは下手に手を入れない方が良いので、晩秋までこちらの畑の土はいじらない。
1回目の農薬も撒き終わり、芽吹いたところだが、まだブドウの生育を見守る段階だ。
畑仕事は作物の上っ面だけを眺めているだけではない。
地面にも目を向ける必要がある。
春になり暖かくなってきたので、当然ブドウの芽が伸びるだけではない。
草もまた同じ、いやそれ以上に伸び始めているのだ。
ということで、草刈りをすることにした。
この畑は実にわかりやすい形状をしていて、50メートル四方の真四角で平地にブドウが植えられている。
50メートル四方ということは25アール、和名で2.5反歩という広さになる。
ワイン用ブドウとしたら、猫の額程度の広さしかないが、鎌を持って手で刈っていたら草の成長の方が早いことだろう。
機械式の刈払機でも、この広さだと作業効率は決して良くはない。
で、お世話になっている地元ワイナリーさんでまた借りてきた。
乗用草刈機、通称モアである。
見た目はマリオカートであるが、底部に草刈りの刃が付いている優れモノだ。
ざっと点検だけして、ガソリンを入れたらエンジンを点火、目の前の畑へと直行だ。
バナナの皮を踏んでもスピンしないから安心して走ることができる。
最高速度でどのくらい出るのかは分からないが、農道だと体感はロードバイク並みに感じる。
当然、公道は走れないので注意が必要だ。
畑に到着すれば減速、安全もあるが作業範囲が直線だけでは無いので適度な速度で刈り進めていく。
乗っているだけだったので、快適に作業が進んでいった。
が、夕方遅くに始めたので終わる頃には日が暮れてしまった。
翌日の朝、さっぱりと刈り上がった畑を見て、ニンマリとしてしまったのだった。
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