真・神の血に溺れる~ヴィンライフ・サガ

出っぱなし

始まりの挨拶

 某県某所、2023年4月1日、僕はブドウ農家となった。

 奇しくもエイプリルフールだが、嘘ではない。


 前作『神の血に溺れる』は、10年以上に渡るワイン修行の旅の記録だった。

 悲喜こもごも、実に様々な出来事があったと思う。

 語っていないエピソードもあるが、機は熟した。

 ようやくブドウ農家としてのデビューである。


 だが、実はすでに最低限の仕事だけはやってきた。


 カクヨムコン開始の12月初旬、その頃には動き始めていた。

 地元ワイナリーで働きつつ、休みの日には11月に借り受けることの決定していたぶどう畑で剪定していた。

 

 冬に雪の降る地方なので、早く枝を切っておかないとブドウ棚が潰れてしまうからだ。

 急な話だったがやるしか無く、12月中は週7日休みなく働き、無事に年内に冬支度は完了できた。

 幸か不幸か、今冬の積雪量は例年以下で焦る必要はなかったが。


 1月から2月前半は、就農するための初期5カ年の事業計画書作成に追われていた。

 本来なら4月提出でも良かったのだが、諸事情で前倒しになってしまったからだ。

 これも休み無くパソコンに向かい、ギリギリ期限内に完了した。


 そのような事情で今回のカクヨムコンは不参加となったわけである。


 ホッと一息つけば、3月には設備費用の融資の申込みだ。

 これも色々とあったが無事に仮審査までは通った。

 現在は、国の新年度の予算編成が各自治体に通達されるまでは待ちの状態だ。

 他にも、芽吹き前にやるべき畑仕事もやっていた。


 このような事情もあり、KACも不参加だった。

 今年は初めからやる気はなかったが(笑)


 とりあえず、このようにやるべき最低限の仕事だけは終わらせていたわけだ。


 前置きが長くなったが、今回の物語は、某県の山麓にあるワイン用ぶどう・メルローの畑一箇所と空き地一箇所から始まる。

 どちらも借地ではあるが、すでに10年の借地契約は結んであり、その後も継続されるのでほぼ半永久的に使わせてもらえる。

 合わせても60アール程の広さだが、足がかりとしては十分だ。


 当面の目標はワイナリーの設立である。

 まだまだ課題は山積みであり、やるべきことも無数にある。

 どのように未来が進んでいくのかは、誰にも予測はつかないことだろう。

 だが、一歩が今確かに刻まれた。


 これからその奮闘記が始まるわけだ。

 では、始まりの挨拶をこれで終わりにしよう。

 

 真・神の血に溺れる~ヴィンライフ・サガ 

 開幕!

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