第25話 じんせい観
金メダルをとった選手がインタビューに答えていた。
「練習はウソをつかなかった!」
「自分との戦いだった!」
「支援してくださった方々への恩返しができてよかった!」
スポーツ選手なら誰もが口にする言葉であり、私たちの想像以上に、スポーツ選手って、いろいろなものを背負ってるんだなと思った。
すなわち、スポーツの世界は、それはそれはきびしい順位付けの世界だ。
問答無用で、勝ちは勝ち、負けは負けだ。
そして勝てば栄光、負ければみじめさだけが残る。
きびしい世界だけに、スポーツから得られる感動や学びは大いにあることはまちがいないに決まっているが、はたして、私たちはこの勝ち負けの価値観を人生にストレートに当てはめてよいのだろうか?
「自分は人生に勝った!いや、自分は人生に負けた!」
栄光の人生とみじめな人生、なんだか、きびしすぎやしないか。
と言うのも、勝負の世界となれば、誰かが勝つということは、誰かが負けると言うことだから、勝負をするたびに、引き分け以外、およそ、半分は敗者となる。
人生って、みんなが勝利者でありたい。
大きな幸福じゃないと満足できない人もいるだろうが、ささやかな幸福で十分満足する人もいたっていいじゃないか。
それゆえ、この人は勝った人たち、この人は負けた人たちっていうような言い方は、人生にはない方がいいんじゃないのかな。
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