第36話 ネコは知らないだろうな

「ネコふんじゃった」という曲を小さいころ、オルガンでひいた記憶がある。


 だが、日本では、ネコをふんづけるというこの題名は、こわい題名だなと誰もが思っているようだ。


 まあ、大人がふんづけるならそうだが、よちよち歩きの幼児が、うっかりふんで、ネコもびっくり、幼児もびっくりなら微笑ましい気がする。


 それにしても、実際のところ、この曲は作られた国も作者がわかっていないだけでなく、世界各国で、二十八種類もの曲名がつけられて、世界中で親しまれている曲だと初めて知った。


 たとえばドイツでは「蚤(ノミ)のワルツ」、アメリカやイギリスでは「トトトの歌」、ロシアでは「犬のワルツ」などとつけられていて、ネコの名前さえ出て来ない。


 日本ではNHKの「みんなのうた」で阪田寛夫さんが作った歌詞が使われているというのだ。


 えー、こんな世界的な曲だったんだと感心したが、もう一つ、ネコを歌った曲で「黒猫のタンゴ」という曲がある。


 当時、七歳の皆川おさむくんが歌ってレコード売り上げ二百万枚以上のたいへんな大ヒット曲となった。


 ところがこの曲もまた、日本の曲ではなく、イタリアの童謡であって、もともとは「黒ネコがほしかったのに」という曲名がついている。


 歌詞も「ワニをあげるから、代わりに黒ネコがほしかったのに、君がくれたのは白ネコだった。だから、もう遊んであげないよ」という内容だそうである。


 この曲もイタリアではレコード売り上げ九百万枚という大ヒット曲となったそうである。


 ネコちゃん、おそるべし!


 世界中で愛されて幸せなペットくんである。


 このすごさを、ネコちゃんにおしえてあげたいけどね……


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