第34話 三角という形
目を丸くして驚くという言い方があるが、目を三角にして怒ると言い方もある。
ヨーロッパではおもしろいことに、子どものテレビの見過ぎを注意するときに、目が四角になるよって言うそうだ。
いずれにせよ、図形と言うものはわれわれの生活の表現を豊かにしてくれているわけだ。
なかでも、三角形は、ピラミッドが三角錐であったり、バーミューダトライアングルといった不思議な現象の起きる三角地帯があったりする上、何と言っても、数々の数学上の定理を生み出している。
「ナポレオンの三角形」という定理がある。
紙に適当な三角形を描き、その三つの一辺、一辺から、正三角形を描くと、ヒトデのような形ができあがるが、その描いた三つの各三角形の中心(重心というが)を線で結ぶと、そこには必ず正三角形ができあがることを、ナポレオンが発見したという定理だ。
さらに一直線になる定理もあるようだが。
定理と言うのは、必ず、そうなるという法則だから、ナポレオンのような天才は、軍事以外にもそういったことにも興味があったのだろう。
日本で三角形と言えば、まあ、人それぞれではあろうが、私は、真っ先に富士山を思い浮かべる。
その安定感のあるどっしりとした姿、四季折々に見せる美しい姿に、思わず手を合わせて拝みたくなる気持ちになる。
ところが、そこに私も発見したことがあった。
「拝」という漢字は、植物を手に持って、手を合わせることからできた会意文字というらしいが、手を合わせて拝む形を作ると、合わせた手のひらと手のひらの形はきわめて頂角の鋭い二等辺三角形に見える。
だが、さらにそのまま伸びた腕を見ると、なんとそこに両腕を両辺にした三角形が出来上がっているではないか、おお、やった!これは間違いなく法則だ。
だから、山を拝みたくなるのは、合掌したときと同じく、腕が三角形になるからだったのか……
ついでに、もう一つ、発見したのだが、飲み屋に入るとき、両腕で暖簾を開くと、ちゃんと暖簾が三角形の姿にめくれるのだ。
ああ、だから、お酒を飲むときは、神聖な?気持ちになるのか……
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