第2話 よく喋る内容があるもんだ。

 駅のホームで二人の男が立ち話をしている。


 痩せた男が主に話しかけ、もう一人の小柄な男は相槌を打つ方が多い。


 そこへ、OL風の二人の女性が階段から、ホームへ降りて来ると、痩せた男は二人が間断なく話しかけ、間断なく返答をしているのを目にして若干上目遣いになった。


 電車が到着して、男女とも同じ車両に乗り込んだが、男性二人は、やや会話がとぎれとぎれになってきたが、女性二人の会話の勢いは、いっこうに衰えることはなかった。


 電車は次の駅に止まると、男は一人が降り、女性は二人とも降りると反対ホームに降り立って、やって来た電車に乗り換えていたが、ふと見ると、女性二人は、ますます前にも増してよく喋っていた。


 時々、口を大きく開けて笑いながら会話は続いていた。


 もう一駅乗ると男は降りて、路線バスへ乗り込むと、次のバス停から、若い女性が二人お喋りしながら乗ってきた。


 今度の二人も、一段とお喋りの弾む二人だった。


 二人は、二つ先の停留所で降りた。


 だが、二人は笑いながら喋り続けていた。


「世の中というのは話題に事欠かないということか……」


 男は妙に納得してバスから風景をながめた。

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