第27話 エイリアンの後悔
戦火が絶えない地球にやって来たエイリアンが、頭にきて地球から戦争をなくしてやると言って、地球上にある武器をすべて、磁石で吸いつけて、持って行ってしまった。
しばらくして、平和になっているかなと思ってやって来ると、また地球人は戦争をやっていた。
「おかしいぞ!この前、武器を一つ残らず、かき集めてブラックホールに捨ててやったのにどうしたことか?」
「武器を作ることのできる人間がうじゃうじゃいますよ」
「しょうがないなあ、今度は武器だけでなく、そういった人間もいっしょに連れて帰ろるぞ!」
やがて、今度こそ平和になっているはずだとやって来ると、また戦争を続けていた。
「武器の作り方のマニュアルが山のように出回っていたのでそれを見て作ったらしいですよ」
「それじゃ、そのマニュアルを洗いざらい没収して、これもブラックホールにたたき込んでやる!これでどうだ!」
そう言って、根こそぎ集めて持ち去った。
そして、今度こそ仲良くやっているだろうと思って来て見ると、石を弾丸がわりにして投げ合ったり、木を削って槍にしたり、地面に穴を掘って落とし穴を作って突き落としたりして戦っていたので、呆れたエイリアンは、陸地を全部はがして持ち去り、海だけにしてしまった。
だが、それでも、泳げない相手を海に突き落としていたので、海水を巨大なバケツに汲み上げて、太陽にぶっかけて蒸発させたので、人類は空気にプカプカ浮くしかなかった。
「これでもういいだろう!」
エイリアンは満足するかに思われたが、なんのことない、相手が空気を吸えないようにして困らせていたので、ホントに怒り心頭に達したエイリアンは、とうとう空気を全部吸い取ったところ、人類は滅んでしまった。
「あれ、人類を滅ぼしちゃってよかったんですか?」
「いや、ダメだ!もうちょっとよく考えればよかったよ。地球人のことわざにも、『後悔、先に立たず』ってあったのになあ」
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