第32話 親子って
「あの二人、親子なんじゃない?顔がそっくりだもの」
よく親子っぽい二人づれが、買い物をしていたり、電車に乗ってきたりしたときに、顔がなんとなく、そっくりだと、じろじろ見てしまったり、そう言ったことばが口に出てしまったりすることがある。
わざわざ、他人のことに首をつっこむ必要なんてないだろうと思うが、似ていれば似ているほど、なぜか気にとめてしまう。
似ている顔つきの生物が二体あるっていうこと気になるのか、それとも、親子であるかどうかということが気になるのか……やっぱり、親子ってほうかな
「この親にしてこの子あり」
これは、すぐれた親とその親に似たすぐれた子供という意味で使うのが、本来の使い方だそうだが……
しかし、親の願いとしては、ここは、自分には似て欲しくないとつくづく思う点が、似てきてしまっていることに、あーあと思ってしまうこともある。
だが、子どもの顔が自分に似ているだけで嬉しく思うのは親バカなのかもしれない。
最近「親ガチャに外れた」ということばがある。
「自分の親はダメな親だった」という意味を、今風な言い方に変換するとこうなるのだろうか……
そこで、子どもにそう言われた親が言い返した。
「あっ、そう!じゃ、よその家で育ててもらいな!」
これが言い返しのことば、ナンバーワンだそうだ。
たしかに、この人には親の資格はないなと思うような事件はあるから、そうした親がいるのは事実である。
ただ、「ガチャガチャ」という機械を持ち出すなら、こっちも、たまには科学を持ち出して言ってやりたくなる!
子どもは、一人の親の持っている二万三千個あるDNAを半分ずつ受け取って生まれて来る。
さらに一つのDNAは数万から数十万の情報を含み、人間として見ると約三十億の情報でできているのだ。
「つまり、子どもよ!おまえは、三十億個入った親ガチャに、三百円とか五百円入れて、親を取り出すんだぞ!さあ、三十億も親の元があるんだから、いいの引いてみろよ!」
って言ったら、引いた結果って誰の責任かな……
やっぱり、自分にもむずかしくてわからないなあ
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